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この夏“買って得する”ブックシェルフスピーカーバイヤーズガイド(2/4 ページ)

» 2007年07月23日 20時41分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 また、これも机上で利用する際の話だが、角度調整機能の有無も環境によっては必要となってくる。スピーカーにはもっとも音がよく聞こえる場所「スウィートポイント」があり、あまりに近い場所に置かれる机の上では、角度の調整がきかずにベストサウンドを楽しめない。もしスピーカーから耳までの距離が1メートルを確保できない場合は、角度調整付のスピーカーを候補の上位に入れよう(インシュレーターと呼ばれるスペーサーを活用してスピーカーに角度をつける方法もあるが、設置が不安定になるのでブックシェルフスピーカーにはオススメできない)。

 そして見栄えとしてのスタイルは、ズバリ格好いいと思えるか、机や部屋に似合うかだ。どんなに音が気に入っていても、和室にメタルケースのスピーカーは違和感があるし、洒落た現代風のインテリアに無骨な四角い木目のスピーカーは馴染みづらい(もちろんマッチするかどうかは人の好みだが)。そのあたりは、店頭で自分の部屋を想像しつつベストなスタイルを選び出して欲しい。まあ、音を最優先して外観にはこだわらない、機能美を重視した「漢」な選択も僕は好きだけど。

 というようにブックシェルフスピーカーは、音色の好みと使用環境によって、ベストな製品は大きく異なってくる。店頭に並ぶ数多くのスピーカーを目にしても自分を見失わず、最良の1台を選び出して欲しい。

 さて、ここから先は具体的なお勧めモデルを紹介しよう。内容としては、製品の主立った特徴と音の感想にくわえて、音色傾向をあらわす表と、机上(デスクトップ)とリビングルームのどちらに向いた製品かを列記した。これらを参考にしつつ、実際に店頭に赴いて試聴して、お気に入りの1台を選び出して欲しい。

BRONZE BR1(モニターオーディオ)

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製品特徴:2.5センチハードドームツイーターと14センチウーファーを採用するコンパクトモデル。バスレフポートに差し込み低音を調整するスポンジ製チューブプラグが付属するほか、オプションで壁掛け用金具も用意。また高さが大きくなるものの、パスレフポートがフロントに配置され低域の再生周波数特性が向上したBR2もラインナップされている。

音の特徴:端正でバランスの良い音。そのため長時間聴いても聴き疲れせず、リビングのBGMとして活用するにはピッタリのサウンド指向といえる。音の広がりもよく、広めの空間であってもしっかり音が届いてくれる点もうれしい。

使用環境:リビング

音の傾向
ダイナミック ―――○― ナチュラル
ウォーム ――○―― クール
ボーカル ――○―― クラシック

Control1 Xtreme(JBL)

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製品特徴:世界中のレコーディング・スタジオで使用されているモニタースピーカー「JBL CONTROL 1」のコンシュマー向けモデル。ドームツイーターにラミネートを採用することで透明感に磨きをかけたほか、音の透過性と強度を高めた新型メッシュグリル、PC用に最適な防磁設計を採用。数少ない前面バスレフポート型。

音の特徴:解像度はかなり粗いが、骨格のしっかりした、存在感の強い音で音楽を魅力たっぷりに聴かせてくれる。スタジオモニター用として長い人気を誇るモデルだけあって、音色は素直でリアリティも申し分ない。秀作と呼べる一品。

使用環境:デスクトップ/リビング

音の傾向
ダイナミック ―○――― ナチュラル
ウォーム ――○―― クール
ボーカル ―○――― クラシック

iQ3(KEF)

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製品特徴:16センチウーファーのセンター部分に19ミリドームツイーターを配置した同軸ユニットを採用することで、点音源によるブレのない位相特性と高い高域拡散特性を実現。また後方に向かって狭まっていくラウンドフォルムは、音響的優位や設置性の高さはもとより、デザイン的な美しさも特筆もの。

音の特徴:臨場感あふれるストレートなサウンド。ボーカルはハツラツとし、ドラムなどのパーカッション系は音のヌケが素晴らしく気持ちよい。いっぽう高音は明るくのびのびした印象。鮮明で心地よい音に、時間を忘れていつまでも聴いてしまいそう。価格以上の満足感を得られる優秀機。

使用環境:リビング

音の傾向
ダイナミック ○―――― ナチュラル
ウォーム ―○――― クール
ボーカル ――○―― クラシック

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