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進化した新Gシリーズ2代目――キヤノン「PowerShot G9」レビュー(2/5 ページ)

» 2007年08月21日 02時18分 公開
[小山安博,ITmedia]

RAWにも対応、顔検出機能もさらに進化

 撮影機能では、撮像素子が高画素化し、有効1210万画素CCDを搭載。A2サイズの印刷にも対応できる4000×3000という高解像度の画像で撮影できる。

 撮影機能の大きなトピックとしてはRAWに対応した点。PowerShot G6まではRAW撮影が可能だったが、G7で省かれてしまった。これが復活したのはうれしい。カメラ内でJPEGを生成する通常の撮影では画像が劣化してしまうが、RAWで撮影すれば画像劣化せずにPCに取り込み、より高度な画像処理が行える。画像サイズが大きくなり、PCで扱いづらくなってしまう欠点はあるので、シーンによって使い分けるといいだろう。

photo ファンクションメニューからRAWを設定できる

 RAWでの撮影では、JPEG撮影時に比べてレスポンスが多少犠牲になり、シャッターボタンを押してからレビューが表示されるまで一瞬間が空くが、コンパクトデジカメとしては高速な方で、キヤノンによればRAWでの撮影間隔は約2.8秒。リコーのCaplio GX100の約4.7秒、松下電器産業のLUMIX DMC-LX2の約5.3秒と比べても高速だとしている。

photo RAWとJPEGの同時記録も設定できる

 画像処理エンジンには従来通り「DIGIC III」を搭載。DIGIC IIIの機能のうち、顔検出の「フェイスキャッチテクノロジー」が進化しており、これまでの顔にピントを合わせる「顔優先AF」、露出を合わせる「顔優先AE」に加え、ストロボ時に顔に露出を合わせる「顔優先FE」、再生時に赤目を補正する赤目補正機能が追加された。

photo G7ではAF枠選択ボタンを押すたびにAFモードが変更されたが、G9ではAF枠選択ボタンを押して、さらにメニューボタンを押すとモード変更されるようになった
photo 顔優先AFでディスプレイボタンを押すと、その時に検出された顔の数とAF枠が表示される。十字キーで主被写体となる顔を選ぶことができる

 AF機能ではさらに絞り込み機能が追加。たとえば顔優先AFで複数の顔が検出された場合、そのうちの1つの顔にだけピントを合わせられる(「顔セレクト」)。9点AiAFでは、画面の一部分に9点のAFポイントを設定し、その中からピントを合わせるのでより範囲を限定したピント合わせが可能になっている。1点AFの場合、アクティブフレームコントロールによってAFポイントを自由に動かせるが、そのAFポイントの枠サイズを小さくし、より厳密なAFが可能になっている。

photo yk_psg9_aiaf1.jpg,,通常の9点AiAF
photo こちらはディスプレイボタンを押して範囲を絞り込んだところ

 顔セレクトではさらに、選択した顔をAFが追尾することも可能になったので、AFを合わせてからその人が移動してもAF枠が追いかけてくれる。顔セレクトは、複数の顔の中から自分が一番撮りたい主被写体を明示する機能なので、主被写体が動いてもきちんとAFを合わせて撮影ができる。

 通常、AF枠選択ボタンを押して顔優先AFに設定すると、最大3人分の顔認識枠が画面に表示されるが、カメラ内部ではそれ以上の顔も検出されており、AF枠選択ボタンを押すと顔を選択する画面になり、十字キーで主被写体となる顔を選択できるようになる。顔認識枠は最大35個まで表示され、顔セレクト時にDISPLAYボタンを押すと、検出した顔の数と認識枠が表示される。

 検出速度や精度は特に問題を感じないが、検出精度に大きな変更はなさそうで、たとえば富士フイルムの新モデルのように、顔の向きが変わっても検出できるといったような機能はないようだ。

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