AHSの「HDオプティマイザー」は、DVDやVHSなどのSD映像を720Pのハイビジョン解像度に変換する外付けのアップスケーラーだ。しかも単なるアップスケールに止まらず、映像に対してスムージングやエッジ処理、コントラスト調整などを行い、見やすい映像を作り出すという。フレームレートは最大120Hzの出力に対応。売り文句は“倍速駆動”である。
しかし、液晶テレビの倍速駆動は、専用の液晶パネルとドライバー、そして中間フレームを作る技術などを組み合わせて初めて実現できるもの。違和感のない映像を作り出すために各メーカーが技術開発にしのぎを削っているのが現状で、外付け機器1つで実現できるものではないはずだ。では、HDオプティマイザーでは一体どのような処理を行い、実際に効果があるのか。試用しているうちに見えてきた。
HDオプティマイザーは、ドイツに本拠を置く半導体ベンダーMicronasが開発したDSP「truD HD」を搭載している。同社はDSP技術にかけては20年におよぶ実績があり、液晶テレビに使われるチップセットでもトップクラスのメーカーとして知られる。truD HDは先日ドイツで開催されたIFAで発表された新チップで、実際のプロダクトになるのは「HDオプティマイザー」が初のケースだという。
HDオプティマイザーは、外寸が300(幅)×189(奥行き)×32(高さ)ミリと薄型で、AVラックのすき間にも無理なく収まるサイズだ。本体にはボタンが2つだけ。正面向かって右側が入力切り替えで、押すたびに「入力1」(コンポーネント)、「入力1」(コンポジット)、「入力2」(コンポジット)のトグル動作となっている。左側のボタンは機能をオン/オフするスイッチで、いずれも動作状況は正面のLEDで確認できる。
試用には、ソニーの23型ワイド液晶ディスプレイ「SDM-P234B」を使用した。既に生産を終了した製品だが、1920×1200ピクセルのWUXGA表示が可能でDVI端子(Rev1.0)も備えている。ここにHDMI変換アダプタを取り付け、HDMIケーブルで「optihdmizer」に接続。DVD再生は東芝のDVDレコーダー「RD-X4」をコンポーネント接続した。
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