大日本印刷とam3は11月29日、「ニンテンドーDS」向けの出版・映像コンテンツ配信サービス「DSvision」を発表した。PCを使ってダウンロードした映画や漫画、書籍などを専用のmicroSDカードに書き込み、ニンテンドーDSの画面で楽しめる。2008年3月に約300タイトルでサービスを開始する計画だ。
挨拶に立ったam3の澤居大介専務は、ニンテンドーDSが国内で累計2000万台を販売した実績を挙げ、「最強で最小、最大のプラットフォーム」と評価する。「DSは単なるゲーム機ではなく、世界で唯一成功したPDAだ。携帯電話が1億台を突破したというが、DSの場合は“コンテンツを楽しむ目的で購入された2000万台”」(同氏)。
また、非ゲームソフト(いわゆる“脳トレ”など)が昨年1年間で市場規模を4.4倍に拡大した点を指摘。「子どもから年配の方まで、幅広い年齢層に支持されている。スイッチ1つで起動し、使い慣れたインタフェースで楽しめるDSvisionは、ユーザー心理に合ったサービスだ」として、発表会場に集まったコンテンツ事業者に参加を促した。
DSvisionを利用するには、専用のmicroSDカードのほか、DS用ゲームカードと同サイズのmicroSDアダプタ、PCからmicroSDへコンテンツを書き込むUSBリーダー/ライターが必要になる(リーダー/ライターは汎用のものが利用できる)。コンテンツ販売サイトで購入・ダウンロードした映像や書籍は、同社が提供するソフト「DSvision コンテンツラック」上で管理し、microSDカードの残り容量に応じて出し入れできる。
ただし著作権保護のため、特定のコンテンツをコピーできるmicroSDカードは、購入時(課金)時にPC接続していたものに限定。専用microSDカードはユニークなIDを持ち、これをコンテンツファイル自体にも書き込んでコンテンツラックに格納する仕組みだ。このため、再生するニンテンドーDSは限定されず、またPCからは何度でもmicroSDにコピーすることができるが、同じコンテンツを複数のmicroSDカードに書き込むことはできない。
配信サービスは、当初約300タイトルでスタートし、2年目には1000タイトル、2年目に3000タイトル、3年後には1万タイトルを目指す。価格はコンテンツによって異なるが、am3では「より手軽に楽しんでもらうため、携帯電話で提供されているコンテンツと同等にしたい。高くでも1000円前後までのものを集める」(澤居氏)としている。課金方法は、クレジットカード決済などEC分野で一般的な手段を利用する。
DSvisionに必要なmicroSDカードとアダプタ、USBリーダー/ライターは、セット価格3980円で販売する予定(同梱されるmicroSDの容量は未定)。動画やコミックの容量はコンテント毎に異なるが、目安として「2GバイトのmicroSDを使えば、2時間の映画が16本、書籍4000冊、コミックなら200冊が入る」という。
なお、ニンテンドーDSはWi-Fiによるネットワーク接続が可能になっているが、直接ダウンロードは「書き込み時の消費電力が問題になる」ため不可能だ。一方で、microSDカードスロットを持つ携帯電話によるダウンロードについては、「コンテントの容量によるが、将来的には是非やりたい」(澤居氏)と意欲を見せた。
同社ではまず、コンテンツをプリレコードしたmicroSDカードとDS用アダプタをテスト販売し、その後ダウンロード販売サイトを開設する計画だ。またサービス開始と同時にNTT東日本とタイアッププロモーションを展開。フレッツ網でもコンテンツのダウンロードを可能にするという。
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