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スペインの鬼才ペドロ・アルモドバル監督の新作「ボルベール<望郷>」が、1月1日に2枚組のコレクターズ・エディションとしてDVDリリースされる。
予告編集、スタッフ・キャストプロフィール、デジタルフォトギャラリーのほか、特典ディスクにはアルモドバル監督の半生と撮影の舞台裏に迫ったドキュメンタリー、カンヌ映画祭の密着映像、監督と出演女優による座談会、メイキング映像を収録。初回のみアウターケースとポストカード付き。
話はライムンダ(ペネロペ・クルス)と、その15歳の娘パウラ(ヨアンナ・コバ)、そしてライムンダの姉ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)が故郷ラ・マンチャで墓の掃除をしているところから始まる。その後、3人は叔母さんの家に行くが、彼女は体が不自由なはずなのに、なぜかきちんと暮らしているのだ。これが伏線となる。
ライムンダには職にもつかず、呑んだくれの亭主がいる。ある日、亭主がパウラに手を出そうとして刺殺される。取り乱すパウラをよそに、ライムンダは落ち着いた様子で、死体を休業中の隣家のレストランに隠そうとする。そんな中、叔母さんが亡くなり、ライムンダは死体処理に忙しく、ソーレがひとりで葬儀に行くことに。そこで、彼女は死んだはずの母親(カルメン・マウラ)に会う。母親は父親と共に焼死したのでは?
実は母親は生きており、叔母の世話をしていたのだ。ソーレは母親をこっそり自宅に連れて帰り、言葉の分からないロシア人と近所の人に説明して住まわせる。母親はなぜ失踪していたのか? そして今、姿を現した理由とは?
第59回カンヌ国際映画祭で脚本賞と、6人の女優が揃って女優賞を獲得。またアカデミー主演女優賞にペネロペ・クルスがノミネートされた。アルモドバル監督とは1998年の「オール・アバウト・マイ・マザー」以来の顔合わせとなるペネロペだが、ハリウッド作品より断然いい。古巣に戻り、実に色っぽく輝いている。
母親と娘を巡る因果がテーマになっているが、さすが女性を描かせたら天下一品のアルモドバル監督、今回も女性に対する考察の深さには驚かされる。
この映画、男は女性の悩みの種として描かれ、その存在も薄く、出てきてもすぐに殺されたりする。男性にとってはバツの悪い映画だが、アルモドバル作品の中では明快で見やすく、女性の心理を理解する意味でも、是非チェックしてほしい。
関連サイト:http://volver.gyao.jp/(公式サイト)
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