カメラは光学ファインダーをのぞいてレンズから入ってきた像を確認して撮影する――フィルムの時代はコンパクトカメラを含めてこれが一般的な撮影方法だったが、デジタルの時代となって、まずはコンパクトデジカメが背面の液晶を見ながら撮影するスタイルへと変化した。
単純に液晶を見ながら撮影できるデジタル一眼レフというならば、富士フイルム(富士写真フイルム:当時)の「FinePix S3 Pro」が先駆けだが、表示はモノクロで30秒間のみと限定的だった。その後キヤノンの「EOS 20Da」も登場したが、コンパクトデジカメのように「液晶を使って撮影できる」というフルタイムのライブビュー機能を搭載したのは、オリンパスの「E-330」が最初だ。S3 Proや20Daのような限定的な使い方ではないライブビューは、その後各社がこぞって導入しており、現在は「ライブビュー」というとこの「フルタイムライブビュー」を指すようになっている。
今回用意したキヤノンの「EOS 40D」は、そうした各社のライブビュー搭載デジタル一眼レフの中では標準的な機能を備えたモデルといえる。
40Dでライブビューを使うためには、まず下準備としてメニューの「ライブビュー機能設定」から「ライブビュー撮影」を「する」に変更する。すると、背面のサブ電子ダイヤル中央のSETボタンがライブビュー切り替えボタンとなり、ボタンを押すとミラーアップし、ライブビューモードになる。
ライブビューでは、シャッタースピードや絞りなどの各種撮影情報に加え、グリッドの表示も可能。また、ボタンを押してISO感度やホワイトバランスを設定しようとした場合も、背面液晶で確認しながら設定できる。
三脚を使って風景撮影やブツ撮りをしている時、腕を伸ばしてハイアングルで撮影する時にライブビューは威力を発揮する。じっくり構図を確認しながら撮影できるし、ファインダーをのぞかなくていい。上面の表示パネルも見なくていいので非常に楽だ。
このあたりの魅力は各社とも同等だが、40Dはミラーアップしたままライブビューで撮影できるのがうれしい。撮影時にミラーが上下しないため、パタパタという音がうるさくないし、撮影時の衝撃も小さい。
これを生かすべく40Dの設定には「静音撮影」という項目があり、「モード1」「モード2」の2つのモードが用意されている。モード1は普段使うのに適したモードで、シャッターボタンを押すとシャッターが切れ、シャッターチャージが行われる。ライブビュー時に連写も可能だ。
モード2では、シャッターボタンを押すとシャッターが切れるが、シャッターボタンを離すまでほかのメカニカルな動作は行われず、シャッターが切れた音だけが聞こえる。この音は非常に静かで、コンパクトデジカメなみとは言わないが、静かな場所でも周囲の静寂を乱すことのないレベルだ。
とはいえ、シャッターボタンを離すとシャッターチャージが行われるので、そのときに音が出る。それでも光学ファインダーを使った撮影よりは静かだし、音がでるタイミングをある程度コントロールできるのは、撮影のシーンによっては有効だろう。例えば舞台の静かなシーンでシャッターを切り、音が盛り上がったときに離す、というふうに使えるかもしれない。
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