(C) 2006「アヒルと鴨のコインロッカー」製作委員会 |
「このミステリーがすごい!2005年版」で国内編2位を記録した、伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説を映画化した「アヒルと鴨のコインロッカー」が、1月25日に2枚組でDVDリリースされる。
特典は4種類の予告編、メイキング・ドキュメンタリー「アヒルと鴨のコインロッカー、の裏」、中村義洋監督ロング・インタビュー、未公開シーン、ロケ地マップなどを収録。12ページの作品解説ブックレットも封入している。
19歳の椎名(濱田岳)は仙台の大学に合格し、念願のひとり暮らしをスタートさせる。引っ越して来たその日、奇妙な隣人・河崎(瑛太)に出会う。彼は初対面だというのに、いきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。本屋襲撃の動機は、一冊の広辞苑を盗み出すこと。河崎の隣に住む日本語が不自由な引きこもりのブータン人・ドルジにプレゼントしたいのだという。
困惑する椎名だったが、翌日、河崎に言われるがまま、モデルガンを片手に書店の裏口に見張り番として立っていた。
本屋襲撃後、夜になるとどこかへ出かける河崎に椎名は疑問を感じるようになる。やがて椎名はアンニュイなペットショップの店長・麗子(大塚寧々)と知り合い、ドルジと元ペットショップ店員の琴美(関めぐみ)の関係を聞くことになる。過去の物語と現在の物語が交錯する中、椎名が見たおかしくて切ない真実とは……。
正直、原作の方が面白かった。ただ、決して映画版が面白くないというのではない。むしろ、もともと映像化不可能と言われていた原作を、よくここまで映像化できたものだと感心してしまった。
濱田岳、瑛太を筆頭にキャスティングもいい。特にミステリアスな青年・河崎を演じた瑛太が素晴らしい。前半は妙にわざとらしく見える彼の演技だが、後半、そのぎこちない演技の理由が明かされる。おそらく彼の代表作になると思えるほどのハマリ役だ。
前半はオフビートな青春ドラマだが、後半は過去に起きたペット殺し事件のエピソードも絡んできて陰鬱な展開へ。ネタバレになるのでこれ以上は控えるが、主人公たちの切ない気持ちや理不尽な出来事に対するやるせない思いもきっちり描かれ、ボブ・ディランのBGM「風に吹かれて」にも涙。原作未読の人は予備知識なしにぜひご鑑賞を。
関連サイト:http://www.ahiru-kamo.jp/(公式サイト)
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