「TOYフォーラム 2008」のエポック社ブースには、昨日発表された野球盤50周年記念モデル「野球版エース(ACE)」が展示されている。今回の目玉は、なんといってもボールが空中に浮き上がる「新魔球」。子どもたちはもちろん、「大リーグボール」や「ドリームボール」に憧れたお父さん世代も楽しめる野球盤に進化している。
新魔球は、ホームベース前のグランドの一部がせり上がり、スライドしてきたボールが弾かれて宙に浮き上がるというもの。ただ、せり上がる部分が直角になっているため、しっかりタイミングと高さを合わせないと方向が狂う。ボールはバットを飛び越すどころか、明後日の方向に飛んでいってしまうのだ(それもまた楽し)。ブーススタッフも綺麗な弧を描く新魔球を投げるのは難しいらしく、成功率は3割といったところ。どうやら研究と修行が求められる魔球のようだ。
もう1つの魔球「消える魔球」もグレードアップした。従来は凹む部分が傾斜していたためボールはなだらかに落ちていったのだが、今回は“奈落”のためボールはストンと穴に落ちる。バットが空を切る様子は、今まで以上に空しい(それもまた楽し)。2つの魔球はピッチャーの大きな武器だ。うまく使い分ければ、三振を量産することも可能だろう。
ただし、ピッチャー(守備側)ばかりが有利になったかといえば、そうではない。バッターは打撃スタンスを切り替えて魔球に対抗できる。
「バッターを内側と外側に45度ずつ動かし、オープンスタンスとクローズドスタンスを使い分けることができます。オーブンスタンスの場合、スイングが後ろ寄りになり、速球は打ちやすいが魔球は打ちにくい。一方のクローズドスタンスでは、スイングしたバットが奈落よりも前まで出るので魔球を打つことができます」(同社)。
魔球は完璧ではなかった。
「しかし、守備側はそれにも対抗できます」
え。まだあるの?
「守備の各ポジションには2人まで選手を配置できます。ボールが飛んでくる方向を予測して守備を厚くすれば、魔球が打たれてもアウトにできるでしょう」
例えばクローズドスタンスで魔球を打つことができても、そのときバッターは大振り&引っ張ることになるため、ボールはサード、ショート、レフト方向に飛びやすい。だから魔球を投げる素振りをしながらレフト側の守備を厚くしておけば、クローズドスタンスのバッターにも対抗しやすいというわけ。事前に守備の配置を変えてバッターに“心理戦”をしかけることもできるだろう。
球種の広がっただけではなく、今まで以上に頭脳プレーが求められるようになった「野球盤エース」。さすが野球盤の50周年記念モデルは一筋縄ではいかないようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR