生粋のニューヨーカー、ウディ・アレンが「マッチポイント」に続き、ロンドンを舞台にした第2作目「タロットカード殺人事件」が3月19日にDVD化される。特典はキャスト・インタビュー、劇場予告編を収録。
ロンドンに遊びに来ているアメリカ人女子大生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)はジャーナリスト志望で、たまたま鑑賞した老マジシャン・シドニー(ウディ・アレン)のマジックショーでステージに上げられる。
巨大な箱に入れられたサンドラは、なぜか先日急死した有名新聞記者の幽霊と遭遇し、いま世間を騒がせている連続殺人事件、その名もタロットカード殺人事件の犯人が新進政治家の青年貴族ピーター(ヒュー・ジャックマン)だと聞かされる。その後、一大スクープを狙うサンドラは、シドニーと父娘を装い、高貴な身分と偽って、ピーターに近づく。ところが、彼女はハンサムで洗練されたピーターの虜になってしまい……。
主な登場人物は3人という分かりやすさ。ミステリアスなオトナの女性を演じることが多かったスカーレット・ヨハンソンがコメディエンヌとしての新境地を開拓。アレンはヨハンソンの魅力を引き出すのはお手の物とばかりにセクシーショットを用意。例えばプールサイドで犯人の気を引こうとするシーン、女の目から見てもその水着ショットのエロいこと。よほどヨハンソンを気に入ったのか、アレンは次回作「Woody Allen Spanish Project」でも彼女を起用している。共演はペネロペ・クルス、ハビエル・バルデムなど。
積極的なヨハンソンと、いつものように弱気なアレンの凸凹コンビは、まるで漫才コンビのよう。アレンも70歳を過ぎて、孫の年ほど離れたヨハンソンと恋愛関係に陥るのはさすがに厳しいと思ったのか、恋愛パートはヒュー・ジャックマン(「プレステージ」)にバトンタッチ。2枚目貴族をサラリと演じるジャックマンも、これまたうまい。
アレンらしいウィットに富んだ会話の洪水、にわか探偵のスリル、適度にヒネリのあるオチと、大作ではないが気軽に楽しめるミステリー・コメディの佳作である。
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