アイ・オー・データ機器の「HVL4-G」は、東芝“REGZA”「ZH500/ZV500」シリーズで録画した番組をムーブできるホームサーバだ。外観こそ「LANDISK Home」(HDL4-Gシリーズ)と同じだが、その役割と将来性は大きく異なり、PC周辺機器メーカーである同社が家電分野に踏み込むための試金石となる可能性を秘めている。企画・開発を担当した同社開発本部ネットワー&ストレージ開発部ハードディスク開発課企画担当の新明征和主任に、製品の詳細と今後の展開を聞いた。
――まず、HVL4-Gの概要を教えてください
HVL4-Gは、DLNAガイドライン1.5と、伝送路の著作権保護技術であるDTCP-IPのv1.2を同時にサポートした初のハイビジョンレコーディングハードディスクです。
NAS(Network Attached Storage)である従来の「LANDISK Home」は、デジタル放送番組を録画することはできても、番組を視聴できるのも録画したREGZAに限られていました。これは著作権保護のためにローカル暗号化を施しているためですが、今回はREGZAのローカル暗号をDTCP-IP経由で、HVL4-Gへムーブすることが可能になります。逆に、NASと違ってPCのファイル共有機能はありません。
ムーブした番組は、2Tバイト(RAID5構成のため、実際に録画できる容量は1.5Tバイトまで)のHDDに蓄積され、DTCP-IP v1.1対応機器からネットワーク経由で再生できます。例えば、リビングルームの「ZH500」や「ZV500」で録画した番組を、ほかの部屋にある「Z2000」や「Z3500」でも視聴できることになります。
内部は500GバイトのHDD4台を用いたRAID 5構成になっていて、エラー訂正情報を記録データと一緒に4台のHDDに分散記録するため障害に強い点が特徴です。例えば4台のHDDのうち1台が壊れても録画データの損失はなく、該当するHDDを交換すれば速やかにデータを復旧できます。HDL4-Gと同様、HDDの交換に工具もいりません。10円玉などで筐体を開けることができ、交換後は自動でデータの再構築処理を行います。
――HVL4-G内の番組を同時に視聴できるクライアントは何台までですか?
2台です。HVL4-Gにもローカルな暗号化/復号化処理エンジンが搭載されていて、番組を暗号化した状態でHDDに蓄積しています。その処理エンジンの能力から、現在のところ同時に出力できるのは2ストリームが上限となります。
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