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ネットリ濃密、狂おしい愛の世界――「ラスト、コーション」本山由樹子の新作劇場

» 2008年06月23日 10時41分 公開
[本山由樹子,ITmedia]

ラスト、コーション(Blu-ray Disc)

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(C)2007 HAISHANG FILMS

 「ブロークバック・マウンテン」に続き2度目のヴェネチア国際映画祭グランプリに輝いたアン・リー監督の新作「ラスト、コーション」が9月16日にBlu-ray Discで登場。パッケージは1枚組で、本編映像のみを収録する。

 DVDも特典ディスク付きのスペシャルコレクターズエディション(6090円)と本編ディスクのみの通常版(3990円)の2種類で同時リリース。スペシャルコレクターズエディションの特典ディスクにはメイキング、トニー・レオン、タン・ウェイら出演者とアン・リー監督のインタビューのほか、日本版オリジナル特典として来日時独占インタビュー、来日記者会見映像、上海撮影現場独占インタビュー、世界各国予告編集、フォトギャラリーなどを収録。さらに封入特典としてフォトブックと特製ブックケースも同梱する。

 1942年、日本軍占領下の上海。大学生のワン(タン・ウェイ)は、抗日運動に身を投じる学生仲間のクァン(ワン・リーホン)にひかれ、抗日をうたう舞台に参加する。そんな軽い気持ちで始めた活動だが、仲間たちの情熱に感化され、自身も渦中に身を投じることに。

 日本のかいらい政府にへつらう特殊機関のリーダー、イー(トニー・レオン)暗殺のため、ワンは貿易会社の社長夫人に扮し、麻雀仲間として彼の妻(ジョアン・チェン)と親しくなる。やがてイーと密会を重ねる仲になり、彼はワンに魅了され、心を許していくが……。

 ヴェネチア国際映画祭では撮影賞も受賞。ほかにも台湾・金馬賞で作品・監督・最高台湾映画製作者・主演男優・新人俳優・脚色・衣装/メイク・音楽賞に輝き、各映画祭で話題になった。

 「ブロークバック・マウンテン」で同性愛を描いたアン・リー監督にとって、許されざる愛は十八番。本作は激しい性描写ばかりがクローズアップされたが、全編に緊張感が漂う、苦しく切ないラブストーリーになっている。

 激動の時代を生きる男女の悲劇を、「インファナル・アフェア」のトニー・レオンと1万人の中から選ばれた新星タン・ウェイが見事に体現。難役に挑んだトニー・レオンの演技力にほれぼれし、任務と愛の狭間で揺れ動くヒロインを演じたタン・ウェイの存在感に圧倒される。アクロバティックなベッドシーンよりも、2人のねっとり絡みつく視線の方がエロティック。濃密な愛の世界に酔いしれよう。

関連サイト:http://www.wisepolicy.com/lust_caution/(公式サイト)

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ラスト、コーション(Blu-ray Disc)
発売日 2008年9月16日
価格 4935円
発売元 JVCエンタテインメント
販売元 ビクターエンタテインメント
スタッフ 監督:アン・リー/原作:アイリーン・チャン
出演 トニー・レオン、タン・ウェイ、ジョアン・チェン、ワン・リーホン
上映時間 158分(本編)
製作年度 2007年
画面サイズ ビスタサイズ・スクイーズ
ディスク仕様 片面2層
音声 (1)ドルビーデジタル/5.1ch/中国語 (2)ドルビーデジタル/2.0ch/日本語
特典 なし

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