モバイル放送は7月29日、移動体向け衛星デジタル放送サービス「モバイル放送」(モバHO!)の事業を来年3月末をめどに終了すると発表した。「ワンセグ放送の開始などもあり十分な会員数を獲得できず、事業の継続が困難と判断した」ためで、サービス終了後に同社は解散する。
モバHO!は、2004年にスタートした移動体向けの有料(月額980円から、データ放送のみなら同800円から)デジタル放送サービス。専用の受信端末向けに、音声番組(40チャンネル)や映像番組(8チャンネル)、データ放送を配信していた。
サービス開始から3年で200万会員獲得を目指していたが、現在の会員数は約10万。当初から無料のワンセグ放送との競合が指摘されており、順調に普及したワンセグに“敗北”した格好だ(2004年の特集:ワンセグ放送×モバイル放送 徹底比較)。
2006年3月期は売上高6億円に対し営業赤字が112億円に上り、筆頭株主の東芝が07年3月、再建を目指して連結子会社化。だが08年3月期も売上高27億円に対し営業赤字が82億円と、改善が進まなかった。
同社の資本金は368億6795万円。東芝のほかシャープ、松下電器産業、トヨタ自動車、NTTデータ、USENなど88社が出資している。「サービス終了にあたっては、東芝の支援のもと、関係者への影響が最小限になるよう対応していく」としている。
東芝は、事業終了に伴い今期で250億円の費用を見込んでいるが、業績に与える影響については「詳細が確定次第告知する」としている。
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