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「Evernote」は終わるどころかAI機能が追加され進歩している件(1/3 ページ)

» 2024年04月30日 11時07分 公開

 Evernoteの日本法人解散というニュースが4月27日に流れました。以前のEvernoteからの変化を追っているものとしては、「特に不思議はない」という感じではあったのですが、それを知らない皆さんにとってはショッキングなニュースだったようで、中には「もうEvernote終わりですか」という印象を持たれた方もいたようです。

 この点については、すでにEvernote Japanから「ご安心ください」というアナウンスが出ています。とはいっても、「最近のEvernoteどうなの?」「大丈夫なの?」という印象を持ってしまう人がいるのも致し方がないといえばないかなとも思います。私は以前、Evernoteでアンバサダーをやっていたこともあり、実際に相談というか、問い合わせというようなものも受けました。

 今回の日本法人解散が、Evernote全体に何か影響があるとかというと「ほぼ何もない」ということでいいでしょう。というのも、Evernoteというサービスにおいて、いちばん大きな変化はとっくの昔に起きていたことであるからです。

 以前のEvernoteでは、日本は米国に続くユーザー数があったこともあり、かなり積極的に活動を行ってきました。しかし、現在のEvernoteはすでに伊Bending Spoons傘下のサービスであり、すでにその本部も欧州に移管されています。Evernote発祥の地である米国にも、すでにスタッフはいません

 この流れは、一度本社にリソースを集中させ、サービスを強化していくということだと思います。その時点で日本にあった機能も縮小になっていたことはいうまでもありません。

実はAIで進化していた

 Evernoteのサービスは、Web経由でもアプリ経由でも重くて使いにくい時期がありました。また価格の改定や無料プランの仕様変更もあり、それを従来からのユーザーが“改悪”と受け取った部分があったことも確かです。さらにいうと、こういったゴタゴタがなかったわけではないEvernoteですが、ではそこから何か他のサービスに移行しようとすると、割と選択肢がありません。

 もちろん、類似サービスはたくさんあります。「UpNote」「Onenote」「GoogleDoc」「Dropbox」でも、近いことはできるといえばできます。ただ、どうにも帯に短したすきに長しという感じであり、決定的な移行先はいまだに出てきていないといっていいと思います。ここに関しては、やっぱりEvernoteの基本設計って正しかったんだなと思うしかないわけです。中でもScanSnapとの接続による紙書類のデータ連携と自動処理は見事で、これがあるためにEvernoteを使い続けているユーザーもいます(私もそうです)。

 そういう時期がありながらも、主に有料ユーザーに向けてのサービスの見直しは粛々と続けられ、3月にはセキュリティリスク防止を目的としたレガシーアプリの廃止も実施されました。そして、約束されていたAI機能の強化は進んでいます。

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