カメラの状態を登録し、登録した状態に素早く復帰させるための「カメラユーザー設定」機能は、従来機から継承する。ただし登録できる数は、EOS 40Dでは「C1」から「C3」までの3つだったが、EOS 50Dでは「C1」と「C2」の2つに減ってしまった。
「カメラユーザー設定」が1つ減った代わりに、新モードとして「全自動クリエイティブ」を搭載する。これは、各種の機能設定をカメラまかせにしながらも、必要に応じて露出補正やプログラムシフトなど、いくつかの設定をユーザー調整できるモード。このモードでは、露出補正は「写真:暗く/明るく」、プログラムシフトは「背景ぼかす/くっきり」といった風に、数値や用語がより分かりやすい言葉に置き換えられている。
そのほか、画像周辺部の光量不足をレンズごとの特性に応じて自動補正する「周辺光量補正」や、使用レンズ別にピントの合焦位置を微調整できる「AFマイクロアジャストメント」、シーンに応じて明るさとコントラストを自動的に最適化する「オートライティングオプティマイザ」などの機能を新搭載した。また高感度ノイズ低減機能は、「しない」のほか「標準/弱め/強め」の3タイプから選べるようになった。
ライブビュー機能は、基本的な仕組みは従来機EOS 40Dと同じだが、ライブビュー時のAFが一部改良された。ライブビューの使い方は、まず背面左上にあるライブビューボタンを押す。すると、ミラーアップが行われ、撮像素子を通じたリアルタイムの映像が液晶表示される。その際、必要に応じてグリッドやヒストグラムを表示したり、画面の好きな部分を5倍または10倍に拡大表示したりできる。そして、AF-ONボタンを押すとAFがスタートする。
従来機EOS 40Dのライブビュー時のAFは、ライブビューを一時的に中断して、位相差検出AFによってピントを合わせる方式だった。EOS 50Dでは、この位相差検出AF(クイックモード)のほかに、コントラスト検出AFが作動する「ライブモード」と「顔優先ライブモード」の計3種類のAFモードを選択できる。スピード重視ならクイックモードを、精度重視ならライブモードをそれぞれ利用するといい。
顔優先ライブモードについては、認識率はまずまずだが、AF速度はライブモードと同じであまり速くないため、撮られる相手がじれったく感じるかもしれない。コンパクト機の顔認識AFに比べるとまだ見劣りする。選択肢の1つくらいに考えておくのがいいだろう。
また、EOS 40Dで好評だったライブビュー時の静音撮影機能を継承する。これは、ミラーアップしてライブビューを表示した後、ミラーダウンせずに撮影を行う機能だ。舞台やコンサートなどシャッター音が気になるシーンで役立つ。
画質は、画素数アップによって精細感が高まり、大判プリントでさらに有利になった。その分、レンズの光学性能がはっきりと画質に反映するので、細部表現を重視するならレンズ選びにもこだわりたい。発色に目立ったクセはなく、クリアで見栄えがいい。「ピクチャースタイル」機能によって発色傾向を切り替えることも可能だ。高感度の画質は、当然ながら感度を高めるほどノイジーになるが、カラーバランスはほとんど崩れない。
トータルとしては、画期的な新機能というほどのものは特にないが、撮影機能はいっそう充実し、操作性は確実に向上している。この高画素と高速レスポンスを10万円台前半の実売価格で味わえるのは魅力的だ。
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