キヤノン「EOS 50D」は、エントリー向け「EOS Kiss」シリーズと上級機「EOS-1D」シリーズの中間に位置するデジタル一眼レフだ。型番に2ケタの数字を持つEOSのミドルクラスは、2000年に発売した「EOS D30」から「D60」「10D」「20D」「30D」「40D」と続き、今回が7代目のモデルとなる。
前作「EOS 40D」からの主な改良点は、撮像素子が有効1010万画素から有効1510万画素へとアップしたことと、処理エンジンが「DiGiC 4」へとバージョンアップしたこと。高感度については、拡張設定によって最高ISO12800に新対応し、顔優先ライブビューやクリエイティブ全自動モードなどの新機能も搭載。さらに液晶モニターが高精細化し、UDMA対応のCFカードスロットやHDMI端子を新装備する。
ボディはEOS 40Dから約10グラム軽くなり、ボタンの割り当てが一部変更されたが、デザインはほとんど変わらず、幅と高さ、奥行きはまったく同じだ。外装はマグネシウム合金製で、完全な防じん防滴ではないものの、電池室やカードスロットにシーリング処理を施し、水滴やホコリが侵入しにくい構造になっている。シボ加工されたラバーグリップの感触や、キットレンズ装着時のボディバランスは良好だ。
起動時間やレリーズタイムラグ、AFスピードなど操作レスポンスは全般的に軽快で、人物や風景、スナップなどの一般的な撮影でストレスは感じない。今回のレビューでは、新発売の高倍率ズーム「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」を主に使用したが、高倍率にしてはAFスピードは速く、USM対応ではないもののAF作動音はあまり大きくない。
連写は、最高秒間6.3コマに対応し、JPEG最高画質なら60〜90枚(カードによって異なる)、RAWなら約16枚までを途切れずに撮影できる。上級機の秒間10コマには及ばないとはいえ、エントリー機の秒間3〜4コマクラスとの体感の差は大きく、スポーツなどの動体撮影にも適した速度といっていい。
操作面での改良のポイントとしては「クイック設定」に対応したことが挙げられる。背面のマルチコントローラーを中央に押し込むとクイック設定画面として、ISO感度や露出補正、調光補正、ピクチャースタイル、ホワイトバランスなどの主要機能の設定状態が表示される。そして、マルチコントローラーを上下左右に動かして項目を選び、選んだ状態で電子ダイヤルを回せば、その機能をダイレクトに変更できる、という仕掛けだ。
このクイック設定とは別に、ファンクションボタンやセットボタンに好きな機能を割り当てることで、自分にとって使用頻度が高い機能に素早くアクセスすることも可能だ。
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