ここ数年のPC向け液晶ディスプレイは、ワイド化と大画面(高解像度)化で進んできた。現在は20〜22型クラスで1680×1050ドットの製品と、24型以上で1920×1200ドットの製品が大きな軸になっているが、もう1つ新たなカテゴリーが生まれている。それは20〜22型クラスで1920×1080ドットの解像度を持った製品だ。
こうした製品の大きな特徴は、画面のアスペクト比が16:9であること(従来からPC向けワイド液晶ディスプレイは大半が16:10)、画面サイズが20〜22型でもフルHD解像度に対応していることだ。特に設置スペースの都合で24型以上のフルHD対応モデルをあきらめていた人にとっては、待望の製品といえる。
今回紹介するベンキュージャパンの「E2200HD」も、21.5型でフルHDに対応したワイド液晶ディスプレイだ。アスペクト比が16:9、画面解像度が1920×1080ドットの液晶パネルを採用し、インタフェースはDVI-D(HDCP対応)、D-Sub、HDMIの3系統を備えている。
何より注目したいのはその安さで、2008年10月24日時点で3万円を切るショップも珍しくない(標準価格はオープンプライス)。E2200HDが搭載しているアスペクト比16:9の21.5型ワイド液晶パネルは、16:10の同じようなサイズのパネルより効率よく生産でき、低コストで調達できる。これにより、従来のエントリークラスの液晶ディスプレイ並の低価格設定を実現しているのだ。画面サイズ/解像度だけでなく、価格の面でも液晶ディスプレイの新しい潮流を感じさせる。
価格のインパクトが大きいE2200HDだが、スペックはなかなか健闘している。低価格機なのでTNパネルを採用しているのは当たり前として、輝度は300カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1を確保し、OSDメニューからダイナミックコントラストを有効にすると1万:1相当までコントラスト比を高められる。応答速度は黒白間が5ms、グレーtoグレー(中間調)が2msだ。中間調の応答速度を高めるオーバードライブ技術「AMA」も搭載し、OSDメニューからAMAの有効と無効を設定できる。視野角は上下160度/左右170度だ。
本体サイズは522.8(幅)×186.8(奥行き)×407.8(高さ)ミリ、重量は約4.8キロで、やはり24型のワイドモデルと比較すると一回り以上小さい。冒頭で触れた通り、高解像度と省スペースを両立しているのもE2200HDの大きな魅力だ。
ただし、表示領域が476.64×268.11ミリの21.5型ワイドパネルでフルHDの解像度を備えていることから、画素ピッチは0.248ミリと狭くなるため(1920×1200ドットの24型ワイドモデルは0.276ミリ程度)、視聴距離や視力によっては、画面上のアイコンや文字が小さくて見づらく感じるかもしれない。ちなみに、筆者の視力は裸眼の左右で0.7、乱視もやや大きいのだが、視聴距離が50センチくらいまでなら裸眼でもそれほど見づらくなかった。
そのほか、液晶パネル部の下には出力1ワット+1ワットのステレオスピーカーを内蔵している。HDMI接続時の音声はHDMIケーブルで入力し、PC音声はステレオミニのケーブルで入力する仕組みだ。音声出力は自動切り替えだが、HDMI音声かPC音声に固定しておくこともできる。ステレオミニ入力は1系統なので、音声入力できるPCは1台だ(DVI-D接続のPCかD-Sub接続のPC)。
なお、E2200HDの上位モデルとして、有効200万画素のWebカメラが付属し、4基のUSB 2.0ポート(うち1つはWebカメラ接続用)のハブ機能を持つM2200HDも用意されている。
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