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実売3万円を切るフルHD液晶ディスプレイ「E2200HD」ってどうなの?16:9パネル/HDMI搭載(1/3 ページ)

» 2008年10月24日 15時30分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

フルHD対応ディスプレイの小型化と価格破壊の始まり

「E2200HD」

 ここ数年のPC向け液晶ディスプレイは、ワイド化と大画面(高解像度)化で進んできた。現在は20〜22型クラスで1680×1050ドットの製品と、24型以上で1920×1200ドットの製品が大きな軸になっているが、もう1つ新たなカテゴリーが生まれている。それは20〜22型クラスで1920×1080ドットの解像度を持った製品だ。

 こうした製品の大きな特徴は、画面のアスペクト比が16:9であること(従来からPC向けワイド液晶ディスプレイは大半が16:10)、画面サイズが20〜22型でもフルHD解像度に対応していることだ。特に設置スペースの都合で24型以上のフルHD対応モデルをあきらめていた人にとっては、待望の製品といえる。

 今回紹介するベンキュージャパンの「E2200HD」も、21.5型でフルHDに対応したワイド液晶ディスプレイだ。アスペクト比が16:9、画面解像度が1920×1080ドットの液晶パネルを採用し、インタフェースはDVI-D(HDCP対応)、D-Sub、HDMIの3系統を備えている。

 何より注目したいのはその安さで、2008年10月24日時点で3万円を切るショップも珍しくない(標準価格はオープンプライス)。E2200HDが搭載しているアスペクト比16:9の21.5型ワイド液晶パネルは、16:10の同じようなサイズのパネルより効率よく生産でき、低コストで調達できる。これにより、従来のエントリークラスの液晶ディスプレイ並の低価格設定を実現しているのだ。画面サイズ/解像度だけでなく、価格の面でも液晶ディスプレイの新しい潮流を感じさせる。

価格は安くても、スペックは安くない

 価格のインパクトが大きいE2200HDだが、スペックはなかなか健闘している。低価格機なのでTNパネルを採用しているのは当たり前として、輝度は300カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1を確保し、OSDメニューからダイナミックコントラストを有効にすると1万:1相当までコントラスト比を高められる。応答速度は黒白間が5ms、グレーtoグレー(中間調)が2msだ。中間調の応答速度を高めるオーバードライブ技術「AMA」も搭載し、OSDメニューからAMAの有効と無効を設定できる。視野角は上下160度/左右170度だ。

 本体サイズは522.8(幅)×186.8(奥行き)×407.8(高さ)ミリ、重量は約4.8キロで、やはり24型のワイドモデルと比較すると一回り以上小さい。冒頭で触れた通り、高解像度と省スペースを両立しているのもE2200HDの大きな魅力だ。

 ただし、表示領域が476.64×268.11ミリの21.5型ワイドパネルでフルHDの解像度を備えていることから、画素ピッチは0.248ミリと狭くなるため(1920×1200ドットの24型ワイドモデルは0.276ミリ程度)、視聴距離や視力によっては、画面上のアイコンや文字が小さくて見づらく感じるかもしれない。ちなみに、筆者の視力は裸眼の左右で0.7、乱視もやや大きいのだが、視聴距離が50センチくらいまでなら裸眼でもそれほど見づらくなかった。

スタンドは上20度/下5度のチルト調整が可能(写真=左)。スイベルや高さ調節、縦位置表示には対応しないが、VESAマウント規格に準拠した100ミリピッチのネジ穴が用意されている。背面のスタンドにはケーブルを通すフックがある(写真=左)。ボディを光沢ブラックとシルバーで塗り分け、背面にシボ調の加工を施したデザインは低価格モデルとは思えないデキだが、液晶フレームが光沢ブラックで目立つ点は好みが分かれるところだ

 そのほか、液晶パネル部の下には出力1ワット+1ワットのステレオスピーカーを内蔵している。HDMI接続時の音声はHDMIケーブルで入力し、PC音声はステレオミニのケーブルで入力する仕組みだ。音声出力は自動切り替えだが、HDMI音声かPC音声に固定しておくこともできる。ステレオミニ入力は1系統なので、音声入力できるPCは1台だ(DVI-D接続のPCかD-Sub接続のPC)。

 なお、E2200HDの上位モデルとして、有効200万画素のWebカメラが付属し、4基のUSB 2.0ポート(うち1つはWebカメラ接続用)のハブ機能を持つM2200HDも用意されている。

各種インタフェースは液晶パネル部の背面に下向きで配置されている(写真=左)。液晶パネル部の左側面にヘッドフォン出力、底面に1ワット+1ワットのステレオスピーカーを内蔵する(写真=右)

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