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アドビ、「Creative Suite 4」日本語版を発表PhotoshopはGPUで高速化(1/2 ページ)

» 2008年11月11日 13時30分 公開
[ITmedia]

Photoshop CS4 Extendedは64ビットVistaをネイティブサポート

 アドビシステムズは11月11日、プロフェッショナル向け統合デザインソフトスイートの最新版「Adobe Creative Suite 4」日本語版(以下、CS4)を発表した。出荷開始は12月中旬の予定だ。

 CS4を構成する製品群は以下の通りだ。Creative Suite 3(以下、CS3)と同様、収録ソフトの違いにより、すべての機能を備えた「Master Collection」、DTP向けの「Design Premium」と「Design Standard」、Webデザイン向けの「Web Premium」と「Web Standard」が用意されている。

パッケージのデザインはよりシンプルになった

 CS3からの変更点としては、Soundbooth CS4がWeb Premium、Fireworks CS4がDesign Premiumに追加された。また、すべてのSuite製品にFlash Player、Media Player、AIRが付属する。

Creative Suite CS4の製品構成
製品名 Design Premium Design Standard Web Premium Web Standard Production Premium Master Collection
InDesign CS4
Photoshop CS4 Extended
Photoshop CS4
Illustrator CS4
Acrobat 9 Pro
Dreamweaver CS4
Flash CS4 Professional
Fireworks CS4
Contribute CS4
After Effects CS4
On Location CS4
Premiere Pro CS4
Soundbooth CS4
Encore CS4
Creative Suite CS4に同梱のツール群
Bridge CS4
Device Central CS4
Dynamic Link
Media Player
Version Cue CS4

 対応OSは、Windows XP(SP2)以降、Vista Home Premium/Business/Enterprise/Ultimate(SP1)、Mac OS X 10.4.11〜10.5.4。Photoshop CS4 Extendedは64ビット版のWindows Vistaをネイティブサポート、Premiere Pro CS4、After Effects CS4、Soundbooth CS4、Encore CS4、On Location CS4は64ビット版のWindows Vistaで動作する。

Photoshop、Premiere Pro、After EffectsはGPUアクセラレーションに対応

Photoshop CS4

 CS4では、Flash技術との統合を進めつつ、各アプリケーションの連携を強化した。Production Premiumの場合では、ダイナミックリンク機能の拡張により、After Effects CS4、Premiere Pro CS4、Soundbooth CS4、Encore CS4の間でコンテンツを移動でき、更新がレンダリングなしで反映できる。CS4で制作した各種モバイルコンテンツを検証するDevice Central CS4も用意している。

 個々のアプリケーションも機能が向上した。Photoshop CS4では、OpenGL対応により解像感を維持したままスムーズに拡大/縮小/パン/回転といった操作が可能だ。NVIDIA製GPUのハードウェアアクセラレーションに対応し、これらの動作が高速に行える。新機能の「カンバスの回転」では、画像を非破壊で回転させ、任意の角度で作業を進めることができる。

 インタフェースでは、複数ファイルのタブ表示に対応したほか、トーンカーブ、レベル補正、彩度、色相を1つのインタフェースで調整できる「色調補正パネル」と、選択した領域の補正をダイレクトに行える「マスクパネル」を搭載している。

色調補正パネル(写真=左/中央)とマスクパネル(写真=右)

 また、画像サイズを変更する場合、人物などのオブジェクトの縦横比を崩さずに、背景部分だけをマウスのドラッグだけで拡大/縮小できる「コンテンツ認識型の拡大縮小」機能、被写界深度を拡大した画像を自動的に生成してトーンやカラーに違和感のない360度のパノラマ画像を作成できる機能、CUDOのカラーユニバーサルデザインへのサポートといった機能を持つ。覆い焼き、焼き込み、スポンジツールは、境界の輝度や彩度を認識し、より自然に効果を適用できるようになった。

コンテンツ認識型の拡大縮小機能を使って、人物などの情報を保ちつつ、背景だけを引き伸ばして違和感なく画像を引き伸ばした例。左が元画像、右が引き伸ばした画像

Photoshop CS4 Extendedは3D画像に直接ペイントできる

 Photoshop CS4 Extendedでは3D画像へ直接ペイント可能で、3D画像を回転させた場合でもペイントした内容が追従する。2D画像を立方体や円柱、球などの3D形状に変換し、3D画像へ合成したり、編集機能などが利用できる。編集結果は、After Effects CS4でアニメーション化することが可能だ。

 InDesign CS4には、制作上の問題点をレイアウト内でリアルタイムに示してユーザーに解決を促すライブプリフライト機能を搭載。また、リンクパネルをカスタマイズ可能にすることで、ファイルを効率よく配置できるようになった。Flashとの連携により、インタラクティブメディアの制作がしやすくなっている。

 なお、NVIDIA製GPUのハードウェアアクセラレーションは、Premiere Pro CS4とAfter Effects CS4にも対応する。

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