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それで、メモリ不足はいつまで続くの? なかなか終わらない狂騒のウラ側(1/3 ページ)

» 2026年05月29日 10時00分 公開
[大原雄介ITmedia]

 2025年12月に「“DRAMパニック”はなぜ起きたか、価格はいつ落ち着くのか? 狂騒の裏で起きていること」という記事をITmedia NEWSで執筆した。記事の最後で、DDR5やNAND Flash高騰について「恐らくは26年の決算くらいのタイミングで、損切りの形でそうした在庫を市場に放出を始めるだろう」と予想をしたわけだが、そこから約半年経ってどうなったか? という話をご紹介したいと思う。結論から言えば、筆者の結論は間違っていた。

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 当時の予想は「厄介なのは、放出されるのはサーバ向けのRegistered ECC DIMMということで、通常のPCでは利用ができない。恐らく現在の「Contract」(メモリベンダーと顧客が価格や提供期間を事前交渉の上決める契約)期間が過ぎたあたりでメモリメーカーの生産量の分配比率が改めて見直され、そこから潤沢にDDR5のSpot(即時取引)市場への供給が始まるだろうが、ただそれが市場に届くのは27年になってからと思われる」というものだった。

 しかし約半年経ったいま、恐らく2027年──少なくとも前半に関しては価格が下落する可能性は薄い。後半以降は不明であるが、市況次第ということになるだろう。

なぜ“27年には落ち着く予想”が外れたか

 最初の問題は、何故筆者の結論が間違っていたか、である。現在の猛烈なAI需要にけん引される形で、HBM系メモリの需要は高まりこそすれ減る気配を見せていない。これはGPUないしAIプロセッサ向けで、特にメモリメーカーの先端プロセスを中心にHBM向けの需要が高まったことで、こうした先端プロセスを使う製品(例えばDDR5ならDDR5-6400を超える製品)は入手が難しくなっている。

 要するにHBMへの傾斜生産が行われるから、コンシューマー向けの製品にまで供給が間に合わなくなるという話だが、これ自体は織り込み済みだった。

 予想外だったのはサーバの需要急増に伴う、サーバ向けメモリの急激な需要増だ。前回の記事を書いたときには、前提として「少なくともGPU×2に対してCPU×1、実際にはGPU×8に対してCPU×1の割合で組み合わされるケースも珍しくない」という話をした。

 従来型のAIモデルの場合ではCPUの役割がそれほど多くなく、例えば8枚のGPUを搭載したキャリアボード×2に対してCPUを搭載したサーバ×1(2 Socket構成なので、GPU:CPUの比は8:1となる)という構成が多かった。

 ところが昨今ではこの状況が変わり、CPUを搭載したサーバを拡充する動きが急激に高まっている。実際8:1だったGPU:CPUの比率を4:1や2:1、将来的には1:1に持ってゆくという話まで出ている。ここまでCPUの需要が増えるという事は、それだけサーバの数が増えるという話で、しかもそのサーバにはメモリを目いっぱい実装するという話も珍しくないので、結果としてサーバ用メモリも払底する事になってしまった。

 つまりサーバメーカーにRegistered DDR5 Memoryが在庫として積みあがるなんて話にならず、むしろ「もっと増産を」とメモリメーカーに働きかけるような状況に陥っている。こうなると、筆者が想定したシナリオは完全に崩れたと言って良いだろう。

 これは数字の形でも示されている。以下のグラフは米IntelのDCAI(Data Center and AI)部門における24年以降の売上と営業利益をプロットしたものだ。なお24年度にはDCAIとは別にNEX(Network and Edge)という部門があったが、25年度にこれが合併してDCAIに一本化された関係で、2024年の数字はDCAIとNEXの両部門の数字を合算したものとしている。

 少なくとも25年末まで、DCAI部門が不調だった事は間違いない。25年Q3こそ営業利益が多少伸びているが、これを唯一の例外として営業利益率は10%台(24年Q2など9.46%だった)を推移していたあたり、要するに高価な製品が全然売れず、安価なサーバ用CPUのみが売れていた事を伺わせる。

 ところが26年Q1は記録的な売上を示すと共に営業利益も大幅増。営業利益率は30%を超えており、これは急に高価なサーバ用CPUが売れ始めた事を示す。低価格帯CPUではなく高価格帯CPUのニーズが高まっているというのは、それだけCPU性能及びメモリ搭載量が必要という話であり、必然的にサーバ用DDR5の需要も高まるという事になる訳だ。

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