JVC(日本ビクター)は1月8日、ラスベガス市内のホテルでプレスカンファレンスを行い、5日に発表した次世代液晶テレビを披露した(→ビクター、“世界最軽量”実現する次世代型液晶を製品化)。32V型のフルHDパネルを搭載しながら重量は約5キログラム。ひょいと持ち上げて磁石付きの壁にはりつけるというデモンストレーションを行い、その軽さをアピールした。
軽さのヒミツは複数あるが、まずバックライトとしてLEDのエッジライトシステムを採用したことが挙げられる。エッジライトは、パネル背面のうちフレーム部だけにLEDを並べ、導光板などを使って全体に光を回すというもの。液晶パネル背面にバックライトが必要なく、薄く軽くできるのが特徴だ。携帯電話の液晶ディスプレイなどで一般的に利用されているほか、液晶テレビでもソニーのBRAVIA「ZX1」が既に採用している(→ワイヤレスで武装した“最薄”BRAVIA、「ZX1シリーズ」)。
ソニーのZX1は最も薄い部分で9.9ミリ厚と薄さも特徴だが、ビクターの次世代液晶はそれを超える約7ミリ厚(ただし、ソニーの画面サイズは40V型)。またチューナーなどは外付けのモニタータイプで、アルミ製のボディーは「構造から再検討した」(同社)。設計を1から見直し、部品点数を従来の約10分の1にまで減らすことで軽量化に成功したという。
32V型の液晶パネルは、上記のようにフルHD解像度で、120Hzの倍速駆動に対応している。そのほかのスペックは未公開ながら、消費電力もかなり抑えられている様子で、壁に設置した板状の磁石にぺったりとはりつけても発熱が問題になることはないという。
同社では、この次世代液晶テレビを2009年中に32V型で発売する計画。なお、ビクターはテレビ事業の縮小に伴い、国内では一部の製品しか販売していないが、今回の超薄型タイプに関しては国内販売も視野に入れているという。
薄型テレビ関連では、ほかにもワイヤレステレビや、チューナーを別体にしたセパレートタイプのコンセプトモデルが展示された。いずれも42V型の新製品をベースにしており、ワイヤレスタイプはWiress HDにより1080pの非圧縮伝送が可能だ。
一方のセパレートタイプは、チューナー部がユニークだ。薄い“くさび形”のチューナーは、本体後部を外してディスプレイ部のスタンド部に組み合わせておいたり、立てた状態で設置することが可能だという。また同様のデザインテイストを持つBDプレーヤーやBDレコーダーも合わせて展示されていた。
なお、今回のカンファレンスではDVDプレーヤーやBDプレーヤーを内蔵した液晶テレビ、iPodドック搭載型テレビ「P500」シリーズの新製品なども発表されたが、国内販売の予定はない
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