超高速連写やハイスピードムービーという新たなデジタルカメラの機能を展開しているカシオ計算機から、また新たな提案が行われた。それが「ダイナミックフォト」。カメラ内で動画と静止画を合成する、というエンターテインメント機能だ。今回は、この機能を備えた「EXILIM EX-Z400」(以下 Z400)をテストしてみよう。
ダイナミックフォトは、搭載された画像処理エンジン「EXILIMエンジン4.0」を活用したもので、動作としては、動く被写体を高速連写撮影して簡易動画を作成し、さらに被写体だけを背景から切り抜き、別の静止画と合成する、というステップを経る。そうすることで、「月面をヒトが歩く」といったあり得ない写真(映像)を作り出せる。
そこでポイントになるのは、動く被写体と背景をきちんと分離し、被写体を切り抜けるかという点だ。実際に試してみると、その精度はなかなかのもの。背景に気を配り、カメラを固定して撮影すれば、おおむねきれいに切り抜ける。
ダイナミックフォトを利用するには、まず撮影モードの「BS」(ベストショット)から「動くキャラクター」を選択する。これを選択すると画像サイズはVGAに限定され、撮影機能はオート撮影モードになる。
十字キー中央のSETボタンを押すと、被写体の動作時間と連写速度が変更できる。1秒間に20コマ(20fps)の撮影、2秒間10コマ(10fps)、4秒間5コマ(5fps)、そして静止状態の4種類が選択可能。つまり、撮影秒数が短いほどなめらかな動きが撮影でき、逆にカクカクした動きなら4秒間の長い秒数で撮影できる、ということになる。
動く被写体を撮影したあとは、被写体がいない状態で背景を撮影する。背景が変わらない限り、画像の違いは被写体の有無だけになる。この2つのシーンの差分で切り抜く被写体を判別するため、背景に変化(動き)があるときれいに切り抜けなくなってしまう。
背景を撮影する際は、被写体がいた場合の背景が画面にガイドラインとして薄く表示されるので、それを目安に撮影するといい。基本的には三脚を使えば問題ないが、手持ちで撮影した場合も、ガイドラインをうまく合わせれば切り抜くことができる。
色の均一な壁などを背景にすると切り抜き精度は向上するので、ダイナミックフォトを使いたいときには、そうした場所を選ぶのが一番楽だ。ただ、ゴチャゴチャした背景であっても、被写体と背景が明確に区別できて、なおかつ、きちんと三脚を使えば正確に切り抜くことはできるようだ。
動きや服装によってはうまく切り抜けないこともあるが、まあ、あまり細かいことは気にしなくてもいいと思う。屋外でもある程度は切り抜ける。面白い動きに出会ったら撮影してみていいだろう。
動きのある画像を切り抜いたら、最後は別の静止画と合成する。この静止画も重要で、どんな静止画を使い、どんな動きを表現するかというのがこのダイナミックフォトのポイントだ。
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