米Appleのスティーブ・ジョブズCEOのステージ復帰で沸いた同社スペシャルイベントだが、ジョブズ氏による恒例の「One more thing...」のかけ声とともに登場したのは新型「iPod nano」だった。ここでは、このiPod nanoにフォーカスして発表内容をリポートしていこう。
ほかのiPod製品群がストレージ容量追加や価格引き下げなどでマイナーチェンジ感が強いのに比べ、iPod nanoは「iPod」という音楽プレーヤーの使い方そのものを変えるくらいのアップデートが施されている。ステージ上でジョブズ氏は「One more thing...」と恒例のフレーズを口にした後、聴衆に「Video camera」というキーワードを提示して語りかける。動画がインターネットでの人気コンテンツであり、それを手軽に利用できる環境が必要だ、と。その問いかけに対する答えが新型「iPod nano」だ。
一見すると前モデルの第4世代iPod nanoと大差ない新型nanoだが、筐体裏にはカメラとマイクが内蔵されている。また筐体に隠れて見えないが、スピーカーも内蔵しており、動画再生時には映像とともに筐体そのものがスピーカーとして機能する。つまり、新型nanoではiPodを音楽プレーヤーとしてだけではなく、動画の記録と再生を両方楽しめるマルチプレーヤーとして利用してほしいというのがそのメッセージだ。どこへでも持ち運べる小型のnanoならではのメリットだろう。撮影した動画は自宅に戻ってPCまたはMac内のiTunesに接続すれば、そのままインターネットへとアップロードしてYouTube経由で共有することもできる。
機能的にみれば、iPod shuffleで搭載された音声スピーチ機能のVoiceOverや、今回発表されたばかりのiTunes 9の新機能「Genius mix」にも対応し、iPodシリーズの中でも最も充実した機能アップデートが施された製品となった。Nike+への対応のほか、マイク内蔵を生かしてボイスメモ機能も標準搭載している。
筐体は7種類のレインボーカラーに加え、シルバーとブラックの計9種類が用意されている。価格は8Gバイトモデルが149米ドル(1万4800円)、16Gバイトモデルが179米ドル(1万7800円)となっている。「Available Today」ということで本日よりの購入が可能だが、後ほどサンフランシスコ市内のApple Retail Storeで確認したところ、製品の入荷は9日の午後遅くになるとの説明を受けた。タイミング的に日本では9月10日の早い時間での入手が可能だろう。
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