さっき、近所の中華料理屋で天津飯と台湾ラーメンのセットなるものを食べてきた。食べる前にカバンからさくっとコンパクトデジカメを取り出して、ちょっとカッコつけて縦位置にして斜めから撮る。基本はプラス1の露出補正。ランチは明るめにさわやか。
縦位置で撮るのって結構ポイントが高いのだが、慌てて撮るとこんなことに。まずおしぼりがじゃま。灰皿がじゃま。レンゲの位置が向こうを向いてる。急いでると料理にばかり目がいってしまうが、実は食べ物の写真を撮るときは、そういう背景のわずかなことが重要なのだ。
そこでちょっと片付けて撮り直してみた。
このアングルだと迫力があるけど、いまひとつインパクトに欠ける。このラーメンセットの面白さは、でっかいどんぶりものがふたつドンと並んでいるところにある。片方が「小サイズ」なのではなく、どっちもフルサイズなのだ(たぶん)。
そのユニークさを出すにはどう撮るのがいいだろう。遠近は付けない方がよさそうだ。そうだ、真上から撮ってみよう。
適当なお昼のランチをわざわざ立ち上がって撮るのも大仰なので、腕を伸ばして液晶モニタを斜めぎりぎりから見ながらさくっと撮影である。
妙に迫力のある主従関係のないラーメンセットとなった。でもまあお昼の安いランチで天津飯にはいってるのは「かに」じゃなくて「かにかま」だったりするくらいなので。
こんなに大袈裟に撮るのもちょっと気恥ずかしいですな。しかも全然秋の味覚じゃないし。
では気を撮り直して秋の味覚である。秋の味覚っぽい料理を出してくれそうなのはやはり和だろうということで、和食である。最近の店は雰囲気重視なのか白熱灯系の照明を落としたお店が多いけれども、今回訪れた店は昭和っぽくて結構明るい、料理を撮るにはよい店。
和食の特徴は器。黒い盆に小さな器がでてきたり、白い紙が敷いてあったり、赤い漆のお皿に乗ってたり。そんな工夫がいいのだが、カメラから見るとありがたくない。オートで撮ると、白い紙が敷いてあるときは露出アンダーに、黒いお盆や食器の時は露出オーバーになりがち。
考えてみると、照明の明るさが変わることはない。そんなときはマニュアル露出である。最初に撮影する露出を決めちゃう。もうひとつやっておきたいのはホワイトバランスのセット。室内はどうしても赤っぽく写りがちなので、手近な真っ白な紙を使って手動で合わせておくといい。
でかいズームレンズをつけてお店でバタバタするのもはばかられるので、35ミリの単焦点レンズのみにして、露出は1/50秒F2.8でISO500に固定することにした。一眼レフでちょっと絞りを浅くして撮ってるので銀杏のあたりを中心にしてまわりがそこはかとなくボケてて、よさげにみえる。
ちょっと暗いところで撮るかも、と思ったら単焦点の明るいレンズを1本持っていくと何かと重宝する。高くもないしコンパクトだし。より一眼レフっぽい写真が撮れるといってもいいかも。
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