12月。せちがらい年の瀬である。吹き付ける風は寒く、目の前には荒涼たる東京砂漠。乾ききった心を風がカサカサ吹き抜ける。気がつけばお肌もカラカラ、いやガサガサ、か。
やさぐれた心とお肌の私に、LifeStyle編集部のS記者が「実際、そんなに乾いてるかどうか調べてみたら?」と小さなピンク色のケースを差し出した。
「『美肌鑑定』っていう新製品で、お肌の調子をチェックしてくれるうえ、アドバイスもしてくれるよ」という。「へぇ」と手に取ると、「じゃ、レビューしてね」と返事を聞かずに去っていった。
「美肌鑑定」は、バンダイとファンケルのコラボレーションで開発されたスキンチェッカーだ。しかもお肌の水分量をチェックするだけでなく、美肌力を表す「肌値(はだね)」なる数値をはじき出し、適切なアドバイスを与えてくれるのがミソだ。
かすかにパールの入ったピンク色で見た目はコスメ?と思わせるパッケージだ。丸みを帯びたボディは手になじみやすい。聞けば商品デザインやパッケージの開発には、フェリス女学院大学の学生が参加したという。かつて女子大生だった私のレビューする手にも思わす力がはいる(なんでやねん)。本体サイズは幅92.4ミリ、高さ33ミリ、厚さ23ミリ。重さは40グラム。ポーチの中でじゃまにならない大きさだ。液晶画面はモノクロ4階調。
可愛い外観にだまされちゃいけないのは、女子大生もガジェットも同じ。大事なのは中身だ。機能をみていこう。
「美肌鑑定」のコンテンツは5つ。水分量チェックと美肌力鑑定を行い、アドバイスをしてくれる「美肌鑑定」、水分量だけを手軽に測れる「1分チェック」、鑑定データをグラフ表示する「肌値チャート」、アドバイスを確認できる「美肌虎の巻」、友達と比べっこできるゲストモード「美肌試し」が用意されている。
美肌サポーターはキャラはコワモテ「オネエ系」、「〜するですぅ〜」とぶりっ子な「いもうと系」、ちょっとお●ぎとピ●コふうの「おばちゃん系」、美輪様を思わせる「神秘系」の4人+シークレットキャラ1人。
キャラは毎日交代で登場、1日のうち最初に使用するとき、サポーターからマメ知識やコメントが表示される。しばらく鑑定をさぼると「美肌は1日にしてならずよ!」などと説教されることもある。なお、各モード以外の時は、待ち受け画面が表示され、各サポーターの生活ぶりを見ることができる。ちなみに待ち受け画面のときにOKボタンを押すと、サポーターがちょっとしたアクションを見せてくれる。サポーターは時間によって行動が違っており、夜鑑定することが多かったワタシの場合、美肌のためか毎日すでにサポーターは眠りについていた……。
ではさっそくお肌を鑑定してみよう。
美肌鑑定前に、肌の調子や心理状態、日常生活などファンケル監修の美容ノウハウに基づいた10問の質問に答えていく。これは、肌値を導き出すために必要で、質問内容は毎回同じではない。この操作だが、左右ボタンで上下に移動する。画面は縦に質問が並ぶため、下の選択肢を選ぶとき、つい下ボタンを押してしまい、慣れるまで何度か間違えてしまった。
そしていよいよお肌の水分量チェックだ。頬骨の下辺りに本体先端部の「美肌センサー」を垂直に押し当てボタンを押す。待つこと約5秒。「キラキラリ〜ン」と音がしたらチェック終了で「OK」の文字が画面に出る。このときボタンを押すタイミングが悪いと「エラー」になる。
ちなみにできるだけぷにぷにのやわらかいところで測ろうと思いがちだが、柔らかい部分で測定すると、実際より乾燥寄りの数値になる傾向があるというから注意が必要だ。
質問に回答する際も音がするので、ついつい音を消したくなるのだが、設定を消音にすると、チェック中は画面が見えず、水分量チェックがOKかどうかわからないため、コツをつかむまで音が出る設定にしておくことをおすすめする。
そしていよいよ「オープン・ザ・プライス!」じゃなくて、美肌鑑定の結果が。
アナタの水分量は……38%
38%?? 乾いてるなぁ。まぁ、乾燥したオフィス内、しかも長時間こもっていたからこんなものかなぁ。「肌水分量の目安」によると「まあまあ…」らしい。
そして質問の回答と肌水分量を元にユーザーの「肌値」を算出する。
そしてアナタの肌値は……111000
これ、多いんだか少ないんだかわかりにくいが、1000〜10,000,000の間で設定されているとのこと。って低いじゃん!
結果表示後、「ふうん、なかなかじゃない」となどとサポーターはエラソーに乾燥を、もとい感想を言い放ち、美容に関するウンチクをたれる、いやアドバイスしてくれる。
「ナイアシンは美肌をキープすることから『肌のビタミン』とよばれています。カツオ、まぐろ、レバー、げんまい、トリニク、キノコなどにふくまれています」。おおっ、ためになりそう。アドバイスは、「入浴後すぐご飯を食べるとよくない」とか「スポンジはきれいなものを使え」とかいったアドバイスを理由も含めて説明。ジャンルは多岐にわたる。
このアドバイスは、後から読み直すことができる。それが「美肌虎の巻」だ。選択ボタンでタイトルを選択し、選択orOKボタンで読みすすめていく。まず最初に2択の復習クイズが出題されるので、それに回答してアドバイスを再度読むことができる。ちなみに正解でも不正解でもアドバイスは読めるので安心してもらいたい。アドバイスは最大100件プラススペシャルアドバイス6件。
乾燥した会社にいるとお肌も乾きがちだが、お手入れすればしっとりツヤ肌…となるのだろうか。
まず、お風呂上りのすっぴんで水分量を測ると56、ふきとり化粧水後に76、化粧水で86に跳ね上がった。この後美容液で88、乳液で92まで上がった。鑑定員もといサポートキャラクターも「すごいじゃない!」とべた褒めだ。やっぱりお手入れって効果あるんだ。ただし、これは肌になじませた後。15分ほどたつとこの季節ゆえかまた85ほどに戻った。
エステ前とエステ後だったらどれくらい変わるだろうか。さっそくエステに予約をいれた。これってもちろん会社の経費よね?
S記者に「エステ前と後で測るから、費用よろしくね!」とネゴ。
S記者「ていうか、どうしたら肌値が上がるか調べてほしいんじゃないんだけど。「美肌鑑定」の使い方をレビューして、って言ったよね」
がーん。そうでした。ちっ、エステは自腹か。
自腹で思いついたので、体の各部分の水分量を測ってみることにした。これは店頭じゃカウンセリングしてもらえないもんね。とくに何もケアしないお肌をそのまま測る。まずは冬になると乾燥してカユカユになる足のすね。この時期は乾燥・かゆみ止め乳液が欠かせません。そのカユカユすねの水分量はなんと9%。ひでー。乳液の容器に書かれた「老人性乾皮膚症」の文字が涙でにじむ。おなかや二の腕などチェックし、乾燥しているところを重点的にケアすることにしよう。
こんなとき10問の質問に回答するのは少々面倒。その際便利なのが、「1分チェック」だ。屋内外、メイクの有無、寒暖の体感の3問の環境情報の入力でお肌の水分量だけをチェックできる。
このほうが手っ取り早いじゃん、ともっぱらこちらでチェックしていたところ、1分チェックのデータは登録できず、当然アドバイスも増えていかないので注意が必要だ。美は1日にしてならず。毎日の「美肌鑑定」をめんどうがっていては美肌はやってこない。
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