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» 2010年07月21日 12時15分 公開

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.49:BDだけじゃない 海外製ユニバーサルプレーヤー注目の3機種 (2/2)

[山本浩司,ITmedia]
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 まず最廉価モデルのケンブリッジオーディオのazur650BDから。ケンブリッジオーディオは1968年にロンドンで設立された老舗中堅メーカーで、イギリス人の気風に見合ったシンプルなデザインの、真っ当な音を指向したリーズナブルな価格のオーディオ機器を数多く発売している。本機は、音声用D/Aコンバーターに192kHz/24ビットの8ch用シーラスロジック製クリスタルチップを採用しているが、7.1ch音声を出力するアナログオーディオ基板やスイッチング電源は同社オリジナル回路で構成されている。

 これは他の2モデルとも共通するが、SACDのDSD信号をHDMIでダイレクト伝送することができるのが大きな特長だ(HDMI 出力は1系統)。実際に、パイオニアの最新AVアンプ「VSA-LX53」とHDMI接続し、つい最近発売された高純度素材のSHMにグリーンコーティングを施したユニバーサルのSACDシングルレイヤー盤「レット・イット・ブリード/ローリング・ストーンズ」等を聴いたが、ヴェールが数枚はがれたかと思えるような見通しのよいクリアーなサウンドを楽しむことができた。

photo Azur650BDの背面端子

 また、HDMI出力に比べると鮮度感や透明感では劣るが、7.1chアナログ出力は中域の張った力強い音で映画ソフトとの相性もいい。HDMI入力を装備していない、古いAVアンプを今なお使っていて、それを手放したくないという方には、この製品、まさに恰好のものだろう。

 HDMIの画質は、国産の最高機種と比べると、色輪郭のキレや情報量でやや劣るが、階調表現力やS/Nは一歩も譲らない印象。ちなみに本機のビデオセット・アップの「HDMIディープカラー」を30ビットから36ビットに設定し直すと、テレビ/プロジェクターによっては映像のキレと階調情報が向上することがあるので、購入される方はぜひお試しを。

32ビットDAC搭載 「BDP-83SE」

 オッポはDVDの時代から画質のよいプレーヤーを発売していて米国のAVマニアの間では以前から人気の高いブランドだ。BDP-83SEニューフォースエディションは、オッポから発売されたBDP-83SEを、わが国のオーディオ市場でもおなじみのニューフォースが、電源回路と音声D/Aコンバーター以降のアナログ音声回路をきめ細かくブラッシュアップした製品と理解してよい。

 注目すべきは音声DACで、2ch出力用と8ch出力用にそれぞれESSテクノロジー製の高価な32ビットDACチップが使われていることだ。32ビットDACの2chチップと8chチップが入った豪華仕様のBDプレーヤーが20万円以下で買えるというのは、ちょっとした驚きで、確かにSACDやDVDオーディオの2chディスクを本機の2ch出力で聴いてその音のよさに驚いた。国内・海外を問わずSACDやDVDオーディオが再生できるプレーヤーの新製品がめっきり少なくなったが、その意味でも本機はすべての12センチハイファイ系ディスクが再生できる音のよいプレーヤーとしても注目に値する。HDMI画質はケンブリッジオーディオのazur650BDとほぼ同様の印象。安心して使える画質であることは間違いない。

96kHz/24ビット対応のUSB入力 「DX-5」

 値段が断然高いエアーアコースティックスのDX-5だが、じっさいに中身を吟味してみると、その価格がうなずける物量が投入されていることが分かる。オッポのBDP-83SEをベースに仕上げられたモデルだが、ニューフォースエディションとの最大の違いは電源部にある。BDP-83SEオリジナルのスイッチング電源を流用せず、新たに大型トランスを使ったリニア電源回路を採用し、映像回路用と音声回路用をそれぞれ捲線で分ける構造が採られているのだ。

 本機はBDP-83SEと異なり、7.1chアナログ出力を装備していない。しかし、ニューフォースエディションと同じESSテクノロジー製32ビットDACを用いた2ch専用XLRバランス音声出力には同社のハイエンド機器で採用されたデジタルフィルターや電流増幅回路が採用されるなど同社のノウハウがたっぷりと詰まっていて、その音のよさは圧倒的だ。同社を主宰するチャーリー・ハンセンは、本機こそ今エアーでいちばん音のよいプレーヤーだとコメントしている。

 また本機には96kHz/24ビット対応のUSB入力があり、今世界中で大ヒットを飛ばしている同社のUSB DAC「QB9」(38万円)で使われたものと同じマスタークロックシステムが採用されていることにも注目したい。BDやSACDなどのハイスペックなディスク再生のみならず、PCを用いたデジタルファイル再生でも本機ならではのハイエンド高音質が期待できるわけで、DX-5はまさにヴァーサタイルな魅力を持ったマルチパーパス・デジタルプレーヤーといえるだろう。

 HDMI出力の画質は、BDP-83SEと違いはないのではと予想していたが、よりハイコントラストで高S/N、色も濃厚な味わいがあった。電源部の強化が画質にも効いているという確かな実感が得られたのである。

 なお、最後に1つ付け加えておくが、3モデルともAAC音声にも対応していて、わが国のデジタル放送を録画したBD-R(RE)の再生も可能だ(確かめたのはDR記録ディスク。AVC RECは試していない)。セットアップメニューのHDMI Audioを「ビットストリーム」から「LPCM」に設定し直すと、本機内でAACデコード、HDMIでPCM5.1ch伝送が可能になる(ケンブリッジオーディオとオッポ/ニューフォースはアナログ5.1chの出力も可)。プラットフォームこそ共通しているものの、それぞれ個性も価格も異なる3機の海外製BDフルユニバーサルプレーヤー。ぜひ一度専門店に出かけて、その魅力を体験していただきたい。

関連キーワード

HDMI | Blu-ray | SACD | Blu-rayプレーヤー | Hi-Fi


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