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3Dに海外ブランド、Blu-ray Discプレーヤーが面白い麻倉怜士のデジタル閻魔帳(1/2 ページ)

» 2010年06月22日 10時10分 公開
[ 聞き手:芹澤隆徳,ITmedia]
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 最近、Blu-ray Discプレーヤーをめぐる動きが活発化している。国内では初のBlu-ray 3D対応プレーヤーとして、パナソニック「DMP-BDT900」が登場。また海外ブランドのユニバーサルプレーヤーも相次いで上陸した。その中から、“画質の鬼”こと麻倉怜士氏が気になる4機種をピックアップ。それぞれの魅力を紹介してもらった。

photo 麻倉氏の視聴室

――3D対応で注目を集めたパナソニックのBlu-ray Discプレーヤー「DMP-BDT900」は、いかがでしたか?

麻倉氏: 国内で3D対応のBlu-ray Discプレーヤーを発表しているのはパナソニックだけですが、その「DMP-BDT900」の画質と音質がとても良くて驚かされました。日本ではレコーダー人気が高く、プレーヤーはあまり目立ちませんが、実は低価格で画質の良い製品がいくつもあります。

 これまで、日本ではレコーダーに最新技術を採用し、1世代後になってから同じ技術がプレーヤーに導入されるのが一般的でした。しかし、今回はプレーヤーも一新して、こだわりの画像処理やさまざまなアイデアを持ち込んだ製品を作っています。とくにパナソニックの場合は、BD-ROM再生についてPHL(パナソニック・ハリウッド研究所)仕込みの高画質回路を持っているのが強みです。BD-ROMを制作しているところのノウハウを取り入れて画質を磨いてきました。

 DMP-BDT900は、とくに大画面で視聴したときの画質が素晴らしい。大きなスクリーンに映し出すと、非常に細かい部分が見えて驚きました。

photophoto パナソニックの「DMP-BDT900」。2系統のHDMI出力を持つ

 加えて、HDMI出力端子を2系統持っていることもポイントでしょう。映像と音声を個別に(音声出力では黒画面)伝送して音質を向上させるというアプローチは、極めてアナログ的ですが、本当に変わりますよ。

 以前、ソニーの5000番台(ソニーの高級BDプレーヤー「BDP-S5000ES」)で試してみたのですが、スーパービットマッピングなど付加的な映像回路を切っていくと、音がどんどん良くなっていきました。デジタル伝送のHDMIで、このような変化が起きる理由ははっきり説明できませんが、HDMIケーブルを1本の道路と仮定すると、映像を積んだトラックと音声のトラックが併走しているような状態ですけど、映像のトラックが小さくなると、音声のトラックが大きくなるのでしょうか? パイオニアやデノンのプレーヤーもセパレート式を採用しましたし、ハイエンドのBDプレーヤーでは今後、HDMIの2系統出力が当たり前になりそうです。

 パナソニックのDMP-BDT900に話を戻しましょう。価格は13万円とBDプレーヤーとしては高価なほうではなく、低価格とも言えませんが、コストパフォーマンスは非常に高いです。実際にHDMIのセパレート接続にして見比べてみたところ、画質が全く違いました。音声に関しては、「映像がないといいね」というレベルですが、映像だけの方はコントラストの改善をはじめ、かなり大きな違いがあります。試聴にはパナソニックの技術者も同席していたのですが、彼らも「ここまでの差があるとは」と自分の製品にびっくりしていました。パナソニックは、これまでも細かい部分にこだわって画質を改善してきましたが、HDMIの完全セパレート化も1つの飛躍といえるでしょう。

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