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東芝の“クラウドテレビ”構想、「レグザ Apps コネクト」とは?CEATEC JAPAN 2010(1/2 ページ)

» 2010年10月05日 01時27分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は10月4日、「CEATEC JAPAN 2010」の開幕に先駆け、クラウドを活用してテレビやBDレコーダーを有機的に“つなげる”新サービス「レグザ Apps コネクト」を発表した(別記事を参照)。第1弾として、iOS版アプリ「RZコマンダー」を10月下旬から無償提供し、ネットワークを利用したテレビの新しい楽しみ方を提案するという。同社の「クラウドテレビ構想」について、東芝ビジュアルプロダクツ社の片岡秀夫氏と、REGZAの商品企画・マーケティングを担当する本村裕史氏に話を聞いた。

photo REGZAの商品企画・マーケティングを担当する本村裕史氏(左)とレグザ Apps コネクトの仕掛け人である片岡秀夫氏(右)

 東芝は、先月ドイツで開催された「IFA2010」で欧州向けのクラウドサービス「Toshiba Places」を発表しており、その日本版を“レグザ Apps コネクト”のインフラとして利用する。欧州版サービスでは、動画や写真などのコンテンツをシェアできるようになるが、国内版ではコンテンツそのものをサーバに上げることはない。その代わり、ネットワークを介して機器が有機的に繫がることで、利便性を高めようというアプローチだ。本村氏によると、「5年後にはテレビの楽しみ方がガラリと変わる」という。

 「テレビは、家庭内エンターテインメントの中心です。しかし、無限大に出てくるコンテンツに対し、1人の人間が接触できるのはわずか。その状況を劇的に変えるのが“レグザ Apps コネクト”です」(本村氏)。

 では、具体的にどのようなサービスになるのだろうか。

iPhoneやiPadがRDのリモコンに

 第1弾として提供される「RZコマンダー」の機能は大きく分けて2つある。このうちの1つは、アプリを導入したiPhoneなどをレグザやRDシリーズの無線リモコンとして使えるという、とても分かりやすいものだ。

 アプリを起動すると、ネットワーク内にあるREGZA(CELL REGZA X2/XE2シリーズ)やRD(REGZAブルーレイ)を見つけ出し、機器を選択するとリモコン画面が現れる。それも簡易的なものではなく、付属の赤外線リモコンで行える操作を“ほぼすべて”再現した本格派。さらに、PCで動画を操作する感覚で素早く目的のシーンに飛べる「タイムバーサーチ」を備えたり、指の動きで機器を操作する「ジェスチャー」機能を搭載するなど、タッチパネルを生かした操作性を実現している。

photophotophoto RZコマンダーの画面。登録した機器の一覧(左)。タッチリモコンは実際のリモコンとほぼ同じ操作が可能(中、右)。片岡氏が開発を指揮しただけあって、RDユーザーも納得の高機能リモコンとなっている
photophoto ジェスチャーでは、指を上下に動かして音量のアップ/ダウン、左右で再生/早送りなど、直感的な操作が可能だ

 「無線LAN環境とRD側の有線接続が必要になりますが、無線なので(赤外線と異なり)障害物の影響を受けず、機器のレスポンスも早いですね」(片岡氏)。

 RDシリーズについては、公式に動作を保証しているのは「REGZAブルーレイ」以降の機種に限られるが、操作コマンドに「ネット de ナビ」の仕組みをそのまま使っているため、同機能を搭載したRDシリーズなら基本的には動作する。「機種によって一部ボタンが異なることはありますし、タイムバーサーチが利用できるのはRD-XS30の世代以降になりますが、それ以前の機種でもリモコンとしては利用できます」(片岡氏)。

 該当するRDシリーズの累計出荷台数は実に約200万台。何年も前に購入したレコーダーが機能強化できるのは、早くからネットワーク機能を追求していたRDならではといえるだろう。もちろん、中には1人で複数台を所有しているケースもあるだろうが、RZコマンダーでは最大20台までのRDおよびCELL REGZAを登録できる。リモコンコードが不足して困っていた人にも朗報だろう。

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