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大満足で10年使えるマイ・ベストワンを選ぶ高級ヘッドフォンを一気聴き!(1/2 ページ)

» 2011年02月25日 23時47分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 普段からiPodなどで音楽をよく聴いている人は、オーバーヘッド型(メーカーによってはオーバーイヤー型とも呼ばれている)の高級ヘッドフォンに対するあこがれを持っているのではないか。かくゆう筆者もそうだ。外出時には嵩(かさ)張りたくない、仰々しい格好になりたくないためカナル型イヤフォンを使用しているが、たまにはオーバーヘッド型ヘッドフォンの空間的な拡がりのあるサウンドを楽しみたいと思うときがある。少なくとも音漏れを気にしなくていい室内では、オーバーヘッド型ヘッドフォンを積極的に活用する。


 また、ある程度のオーディオシステムを持っている人にとっても、高級ヘッドフォンは2つの意味で必然性の高いアイテムとなっている。その1つは、夜中や早朝など時間にとらわれず音楽を存分に楽しめること。そしてもう1つは、楽曲の録音状態や演奏の詳細を細かくチェックできることだ。こういったポイントをホームオーディオで実現しようとすると、防音設備の整った専用オーディオルームを作ったり、高級なオーディオ機器を導入する必要が生じる。しかし、高度なオーディオシステムに近いクオリティーを、ステレオイメージという大きな犠牲を払ってはいるものの、ヘッドフォンならわずか数万円の負担で実現できるのだ。そういった視点で見れば、高級ヘッドフォンが意外にハイ・コストパフォーマンスであることが分かるだろう。

 また耐久性に関して、カナル型イヤフォンと格段の差を持ち合わせているのもオーバーヘッド型ヘッドフォンならではのメリットだ。近頃はケーブルが交換できるなど、カナル型も高級モデルを中心にかなり耐久性を上げてきたが、それでもヘッドフォンの高級モデルにはかなわない。ケーブルが取り外しできるだけでなく、イヤーパッドなども交換部品が用意されているため、丁寧に扱いさえすれば10年前後は使い続けることができる。そういった論旨でものを考えると、高級ヘッドフォンは価格に見合った能力と耐久性を持ち合わせていることが分かる。


 確かに数万円するヘッドフォンを買うには、それなりの勇気がいるだろう。たった1商品の支出としては、けっして気軽な金額ではないからだ。しかしよく考えてほしい。金額的に妥協した製品を見るたび、後悔が頭をもたげてきてしまうことはないか。そんな気分で、音楽を存分に楽しめるのだろうか。自分の経験からいわせてもらうと、それはNOだ。やっぱりあっちを買っておけば良かったと悩んだあげく、本命の製品を購入し直すという散財を筆者も何度繰り返したことか。趣味としてはそれも「アリ」だが、あまり非効率でオススメはできない。自分にとってのベストな製品を、最短で手に入れるのがもっとも理想的で、結局はそれが一番コストパフォーマンス的にも良かったりする。

 だからこそ、皆さんには金額にも音質にも妥協することなく、自分にとっての「ベストワン」をしっかり選び出してほしいと思う。今回紹介する製品の数々は、そういった趣向にピッタリの優良製品ばかりである。あとは好みで、あれやこれや悩んでほしい。もちろん、今回紹介する製品のほかにも市場にはさまざまな魅力ある製品が存在する。これらも含め、販売店などで実際その手にとって、最終的な判断をしてほしいと思う。

スペック表の読み方を知っておこう

 さて、試聴記事を始める前に、ヘッドフォンに関する製品スペックの読み方と、そこから分かる大まかな製品特長の類推方法を紹介しておこう。オーバーヘッド型ヘッドフォンの場合、製品仕様として、型式、周波数特性、感度(音圧レベル)、インピーダンス、ケーブル長、重量などが表記されている。それぞれの記述が何を意味するものなのか、個別に説明していこう。

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