3月14日に始まった東京電力の「計画停電」(輪番停電)に対して厳しい意見が相次いでいる。その多くは停電そのものに対してではなく、広報体制の不備を指摘したものだ。しかし、2日目を終えて徐々にではあるが情報も増えてきたため、ここで整理しておきたい。
今回の震災により、東京電力は福島第1、第2原子力発電所のほか、広野火力発電所など5カ所の火力発電所が停止。他の電力会社からの応援融通受電を含めても、電力供給力は3100万キロワット(3月14日)にとどまる。しかし電力需要のピークとなる6〜7時には4100万キロワットが必要と予測されており、突発的で大規模な停電を防ぐため、事前の計画に基づいて特定地域への送電を止める。これが、現在、東京電力が行っている計画停電だ。
「輪番停電」(rolling blackout)ともいわれるように、計画停電では一定の時間を区切り、地域ごとに電力供給を停止していく。具体的には、東京電力エリアを5つのグループに分け、5つの時間帯を設定。この時間帯と対象グループを毎日ずらすことで、特定の地域に負荷が集中しないように配慮している。なお、1つのグループに複数の県のエリアが含まれているのは、電気の供給停止や再開の作業を分散して迅速に行うためだ。
13日の夜には今週分のスケジュール表も公開されたほか、15日からは東電サイトにプレスリリースとして時間ごとの「計画停電のお知らせ」が掲載されるようになった。また東電のトップページから「Yahoo!地図」を利用した「計画停電地図」へのリンクが設けられるなど、昨夜より分かりやすくなっている。
また、各グループに含まれる具体的な地域については、リストが更新され、「丁目」まで記載するようになった。またPDFに加えてExcelのファイルも公開されている。
これまでの例では、1回の停電は1時間半から最大2時間程度。実際に停電が始まる前に自治体から防災無線などを通じて通知が行われるケースも増えている。
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