世界最大の家電トレードショウへと成長した「IFA」。その主催者であるメッセ・ベルリンが4月13日(現地時間)、クロアチアのドゥブロヴニクで、プレスとアナリストを集めたカンファレンス「IFA Global Press Conference 2012(IFA GPC 2012)」を開催した。IFA 2012は8月31日から9月5日まで、ドイツ・ベルリン国際見本市会場(Messe Berlin)で開催される。
世界最古の家電ショーとして知られるIFAだが、昨今は家電製品のデジタル化に加え、ネットワーク対応が進み、スマートフォン、タブレット端末(欧州ではTablet PCと表記されることが多いが、タブレット型のPCではなく、スマートタブレット)も呑み込むようになってきた。
AV製品から洗濯機などの白物家電に至るまで、幅広く製品が集まるIFAでは、今まではネットワーク化にあまり縁のなかった分野までが、通信とクラウドを活用したサービスで統合するシナリオが各社によって描かれる。ホームセキュリティ、ホームオートメーション、冷暖房やキッチン用品までがクラウドで結ばれるということだ。
メッセ・ベルリンによると、今年は白物家電の展示が大幅に増加。日本メーカーではパナソニックが過去最大ブースを構え、日本でパナソニックが言うところの“家まるごと戦略”をクラウドを通じて提供するといった話が出ている。パナソニックが今年、Mobile World Congress 2012で欧州向けにスマートフォンの新ブランドを立ち上げたのも、家をまるごとクラウド化する際に重要なツールとして、スマートフォンが必要と考えたからからかもしれない。
さて、このようにスマートフォンとの関係が深くなってきている中で、 IFA GPCではGfKがスマートフォン/タブレット市場の分析を行った。メッセ・ベルリンのIFA専務理事、イエンズ・ハイテッカー氏は「バルセロナ(Mobile World Cogress)は春の製品発表の場でもあるが、携帯電話インフラの話が中心。これに対して、我々はエンドユーザーが実際に見て触れる製品を中心に据えており、競合はしていない」と話し、内容がよりエンドユーザー寄りであることを強調した。
まずタブレット市場だが、各種カテゴリーの製品を見たとき、欧州ではタブレット端末の立ち上がりが遅い。というよりも、北米でのタブレット(主にiPad)市場の立ち上がりがあまりに速く、世界的に伸びている中でも北米が突出してタブレットが売れている。これには地域特性もあるのだろうが、結果的にアプリケーションや製品への投資が集まることで、欧州やアジア地区においても、タブレット端末が今以上に大きな存在になると予想している。
ただし、アジア地区における各国のノートPCとタブレット(グラフ中にはWebbookと表記されている)比率を見ると、香港とシンガポールでは突出してノートPCよりタブレットが好まれる傾向があるなど、地域社会の生活スタイルとの関連性もありそうだ。また、タブレット市場をアップルが独占していることもあって、平均所得の低い地域におけるタブレットの普及ペースに影響を与えている可能性もある。
今後はWindows 8が登場して、タブレット市場に多様性が生まれることが予想されることも影響するだろう。
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