最近、“RATOC Audio Lab”ブランドとしてUSB DACなどのPCオーディオ製品に注力し、数々のアイテムをラインアップしているラトックシステムから、新たにサンプリングレート192kHz/ビット深度24ビット対応のUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「RAL-24192HA1」が登場した。
RAL-24192HA1、同社がこれまでリリースしてきたUSB DAC製品の中で、多彩な出力系統を用意するメインモデル「UT」シリーズではなく、アナログ出力(RCAとヘッドフォン)のみとなる分、コストを抑えた「HA」シリーズに位置するモデルだ。96kHz/24ビット対応モデル「RAL-2496HA1」の上位版といった位置付けだが、USBに加えて光デジタル入力が用意されていたり、ヘッドフォン端子に「UT1」シリーズと同じ6.3ミリのステレオ標準端子(RAL-2496HA1は3.5ミリのステレオミニ端子)を備え、フロントパネルも上位シリーズの「RAL-24192UT1」に近いデザインだったりと、少しばかり上位のグレードへとシフトした印象を持ち合わせている。
そして、192kHz/24ビット対応ながら、Windows 7のOS標準サウンドドライバで動作する特長を持っている。
USB接続のオーディオ機器は「USB Audio Class 1.0」(最大11Mbps)あるいは「USB Audio Class 2.0」に準拠したドライバを使用して動作するが、2012年6月現在、現行のWindows 7含めてWindowsは一般的に96kHz/24ビットまでが限界となるUSB Audio Class 1.0までしか標準対応していない。それ以上のサンプリングレートとなるハイレゾリューション音源のサポートは、USBオーディオ機器ベンダーが提供する専用ドライバとともにUSB Audio Class 2.0に対応させるのが一般的だ(ちなみに、Mac OS XはUSB Audio Class 2.0対応のOS標準ドライバが用意されている)。
そこでRAL-24192HA1は、別途動画データや9.1chサラウンドなどに対応するOS標準ドライバ「USB EHCI(Enhanced Host Controller Interface)」(最大480Mbps)に着目、こちらのHigh Band WidthモードとUSB Audio Class 1.0のOS標準ドライバにより、専用ドライバなしに192kHz/24ビット対応を実現したという。つまり、Windowsでの192kHzのハイレゾ音源再生も、USB接続するだけでOKとなっているわけだ。対応OSは、64ビット版含むWindows 7/Vista/XP、Mac OS X 10.6以降となる。
また本機は、内部に上位「UT1」シリーズと同じく独立した高精度水晶発振モジュールを搭載し、より正確なクロックを生成。同時に、PCのUSBケーブルなどから侵入するノイズの影響を避けるため、コモンモードフィルタ(必要な信号と不要なノイズをより分けるノイズ対策部品)や静電破壊防止回路(静電気対策/ノイズの影響を少なくする回路)を装備。これらによって、さらなる高音質を追求したという。
ボディサイズは100(幅)×83(奥行き)×43(高さ)ミリで、机上で取り回しやすいサイズだ。質感の高い金属素材のフロントパネルとブラックの外装は同社のPCオーディオ機器シリーズと共通する。USB/光デジタル入力切り替えスイッチの存在が本機ならではの部品だ。
電源は、USBバスパワー、あるいは付属するACアダプタで供給する。音質にこだわりたい人にはACアダプタ(または、RAL-AC05-03やRAL-PS0514など、別売りの高品位電源ユニットを用いることも可能)、接続をシンプルにしたい人にはUSBバスパワーと、利用シーンに応じて使い分けられる。
設置はいたって簡単だ。前述の通りWindowsでもOS標準ドライバで動作するため、USBケーブル1本つなぐだけですぐ使い始められる。背面のRCA出力は、ボリューム回路をスルーしており、フロントパネルのボリュームダイヤルで操作できるのはヘッドフォンのみとなる。また、ヘッドフォンをつないでもRCA出力からは信号が出続ける仕様だが、こちらはユーザーの工夫でどうにかなるだろう。
フロントパネルには、現在の入力サンプリングレートを視認できるLEDを配置している。特に機能性はないかもしれないが、PC側のセッティングを変更していく際にきちんと動作しているかの確認にけっこう役立ってくれる。ないよりは、ある方がありがたい。
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