最近高品位なPCオーディオ機器を精力的に投入するラトックシステムより、同社が展開するUSB DACのフラグシップモデル「RAL-24192DM1」が登場した。小型ボディを特長とする既存シリーズである「UT」シリーズ、「HA」シリーズと違い、オーディオ機器然とした立派なサイズのボディを採用する。とはいえ、幅はハーフサイズと呼ばれる215ミリほどで、高さも約60ミリと薄型のため、机上での利用も大丈夫であろうサイズとなっている。
内部に盛り込んだ音質向上のための工夫、それが本機にはいくつもに存在する。まずDACは、192kHz/24ビット対応のBurr-Brown「PCM1704」を採用する。これをL/Rそれぞれに1つずつ、合計2つ搭載し、以降のアナログ回路はL/Rが完全分離したツインモノラル構成とし、チャンネルセパレーションを大幅に向上させている。
また、デジタル・DACデジタル・アナログ用にそれぞれ独立した電源部も用意する。USB入力などのデジタル処理部のGND(グラウンド)とDAC、アナログ部のGNDを完全に分離するなど、電源まわりにもなかなかのこだわり込めていることが伺える。加えて、基板パターンの工夫によりインピーダンス特性を徹底制御した4層基板や部品配置の最適化を行うなど、要所で音質に関わる何らかの工夫がなされている。
なお、本機は以前レビューした「RAL-24192HA1」と同じく、ハイレゾリューション音源対応ながらWindows 7もMac OS XもOS標準のサウンドドライバで動作するのも使い勝手のよさの面でメリットになるといえる(関連記事:PCオーディオ基礎知識──「USB Audio Class」とは)。
アルミ素材を採用したボディは一見すると素っ気ないのだが、実際に設置するとなかなか存在感があり、ボリュームの抵抗感なども含めて質感はかなり上々だ。入力はUSBに加えて同軸デジタルも用意し、単体DACとしても使用可能となっている。こちら、同軸デジタルを2系統以上、あるいは光デジタルなども用意してくれるとうれしかった。
出力はアナログのみと、こちらも至ってシンプルだ。とはいえバランス(XLR)とアンバランス(RCA)の2系統を用意するので、ややハイクラスなシステムでも使い勝手のうえで不満に思うことはないと思われる。
前面には、電源スイッチ、入力切り替え、ボリューム、ヘッドフォン出力のほか、入力ソースやサンプリングレートを示すインジケータが配置されている。ボリュームはヘッドフォン出力用で、後面のアナログ出力はスルーされる。
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