特集の第1回では、PCオーディオのプランとして、現在の主流であり、かつ最も手軽な方法としてUSB DACを活用したシステムを紹介した。今回は前回予告した通り、より利便性の高いネットワークオーディオの魅力に迫ってみよう。
ネットワークオーディオとは、その名の通りネットワークを利用して音楽再生を行うシステムのこと。PCでも使っている家庭内の有線/無線ネットワーク(LAN)を利用し、NASやPC内に収められている楽曲ファイルを専用プレーヤーなどで再生する。代表的な技術としては、AV家電にも採用の多いDLNAや、アップルのAirPlayなどがある。
もともと音楽再生というより、ネットワークを使ってオーディオ/ビジュアルを分け隔てなく伝送する技術だが、LANの伝送速度が速いこともあって「オーディオ用に使うと結構いい音で楽しめるゾ」と注目を集め、音楽再生用――なかでもハイレゾ音源対応の高音質再生機器が登場したのをきっかけに定着した。これが現在のネットワークオーディオの姿だ。
さて、ひとことでネットワークオーディオといっても、さまざまなシステムバリエーションや、役割によってキャラクターの異なる製品が存在する。そこで、まずはネットワークオーディオのシステムプランについて整理してみよう。
ネットワークオーディオは、有線無線問わず、LANで接続していればシステムが成り立つ。プレーヤーとファイルの保存場所、オーディオシステムが全く別の部屋にあっても大丈夫。それがネットワークオーディオ最大のメリットといっていいだろう。よって、システムは大きく4つのパートに分けることができる。
1、音楽ファイルの保管場所(サーバ)
2、再生プレーヤー(クライアント)
3、再生操作機器(コントローラー)
4、スピーカーを持つオーディオシステム
このうちまず1については、NASやPCを利用することができる。続いて2については、PCのほかに、専用プレーヤーやタブレット、スマートフォンなども利用可能だ。そして3は、2や4と一体化している製品が多いことに加えて、いまはタブレット向けの専用アプリなども登場していて、なかなか便利な使い勝手となっている。4はプレーヤーとアナログ接続する一般的なオーディオ機器のことだが、DLNAやAirPlayなどに対応したプレーヤー機能内蔵アンプといった複合製品も増えている。
よって、
NAS→専用ネットワークオーディオプレーヤー→タブレット→本格オーディオ機器、というフルコンボから、PC→ネットワークプレーヤー機能搭載スピーカー、という一体型シンプルシステムまで、さまざまなシステムを構築することができるのだ。極端な話をすれば、PCを利用するのは音楽ファイルの収集のみで、再生の時にはいっさい使わない、というシステムすら可能だ。
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