東芝“REGZA”(レグザ)この秋の主力モデル「Z7シリーズ」をじっくりテストする機会を得た。
テレビ市場の冷え込みが今なお続くこの秋、ひたすら値段勝負のつまらない状況に突入したかにみえる大型テレビ・マーケットだが、その世界を再び活性化させたいという東芝のテレビ企画・開発陣の意気込みがうかがえる内容の濃いシリーズ、それがZ7だとテストを終えて実感した。
Z7は、42V型、47V型、それに55V型の3モデル展開が図られており、すべて視野角の広いIPS液晶パネルが採用されている。また3機種ともに偏光方式の3D再生機能を装備しているのも注目ポイントだ。
画面の前面を1枚ガラスで覆い、アルミの外枠を用いたスタイリッシュなミニマル・デザインは、北欧デンマークのヤコブ・イェンセン・デザインとのコラボレーションで生れたもの。ヤコブ・イェンセンと東芝の協業は、2010年の「F1シリーズ」以来となる。ベゼルや前面ガラスの平面性の高さなど、さすがに見事なものだ。
「貧すれば鈍す」とはよく言ったもので、価格下落が続くとどうしてもプラスチッキーで安っちい仕上げのテレビが跋扈するようになるが、Z7シリーズはそんな動きと一線を画す、じつに完成度の高いデザインの魅力をアピールしている。テレビは大画面になればなるほどモノとしての存在感が大きくなるのは自明の理で、生活の質にこだわりをお持ちの方は、映像が映っていないときの佇まいのよさにも十分意を払ってテレビを選んでいただきたい。Z7シリーズを前にして、改めてそんなことを実感したのだった。
さて、Zシリーズの機能面での最大の特長は、HDDを外付けするタイプの全録タイムシフトマシンだということ。しかも電子番組表の情報や視聴履歴から番組のリコメンドを行う「ざんまいプレイ」。さらに、Wi-Fi機能を持たせてクラウドサービス「TimeOn」(タイムオン)との連携により、録画された膨大な数のコンテンツの中からあなたが観たい番組やシーンを瞬時に検索して提案してくれる、じつにありがたい機能を付加しているのだ。
実際に触ってみて、これこそが放送コンテンツが充実した日本ならではの、スマートテレビのあるべき姿だと実感した。タブレット端末で番組を持ち歩くことなどにまったく興味がなく、後で「なんだ、こんな面白い番組やっていたのか……」と歯噛みすることの多い筆者にとって、この「ざんまいプレイ」の使い勝手のよさは、うれしい喜びに満ちたものだった。
ちなみに6チャンネル分の地上デジタル放送が約40時間保管できる全録用2Tバイト、通常予約録画用500Gバイトの東芝純正USB HDD「THD-250T1HDD」がZ7シリーズのテレビ背面に装填できるようになっているが、バッファローやアイオーデータなどから動作確認済みのより安価な2T/4T/6Tバイトの容量を持つUSB HDDも発売されており、HDDの容量不足が心配になってきたらそれらを新規購入していけばいい。外付けHDDとの連携を前提にしたZ7シリーズはその分価格も安くできるわけで、このへんの商品企画の割り切りもスマートだと思う。
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