最近、よくも悪くも街中で「Wi-Fi=無線LAN」スポットが増えており、無線LANはPC利用者はもちろん、スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機利用者にもあたり前の機能となった。では、自宅ではどうしているか。PCやスマートフォンの無線LAN接続は普通だが、それ以外にテレビやレコーダー、据え置きゲーム機などネットワーク対応の家庭用AV機器・ゲーム機をどうしようと考える人が同じく増えている。
自宅ならば「5GHz帯対応の無線LAN」を積極活用したい。なぜ5GHz帯なのか、なぜAV機器用に勧められるのか、詳しくは『特集:「5GHz帯無線LANルータ」導入のススメ』を参照願いたいが、5GHz帯は利用者急増により混雑する2.4GHz帯より高速かつ安定して通信できる可能性が高いためだ。映像・音声を途切れることなく伝送する必要のあるAV機器用途においては、特に「安定」がポイントになる(スマートフォンやベーシック志向のPCは2.4GHz帯のみとなる機器も多いが、iPhone 5をはじめ5GHz帯無線LAN対応機機は増えている)。
もう1つの機会は「nasne」などネットワークと連携したAV機器利活用も一般的になってきたこと。nasneはLAN接続でDTCP-IP対応NASとして機能し、本体で受信した放送や録画した番組をLAN経由でPS3、PC(VAIOシリーズ)、Blu-rayレコーダーなど、コンテンツ保護規格 DTCP-IPに準拠したDLNA対応機機やソフトウェアで再生・配信できる機器だ。もちろんBlu-rayレコーダーやテレビ、あるいは地デジチューナー搭載の液晶一体型デスクトップPCなどにもDLNA機能を搭載する機器は多い。
さてnasneについては、安定して大きなサイズのデータを滞りなく伝送する目的でそれぞれの機器を有線LAN接続して活用するよう推奨されているが、ワンルーム住まいやリビングルームだけで使うならまだしも、別の部屋、階上の部屋とLANケーブルで有線接続するとなると少し無理がある。こちら、どこかのLAN区間を無線化すれば、別の部屋でもnasneの機能を活用できるようになる──というわけだ。
できるだけ高速な仕様で、イーサネットコンバータも用意する無線LANルータ──そんな条件に合う機器がバッファロー「WZR-D1100H」だ。
WZR-D1100Hは「無線LAN通信速度=最大600Mbps」を実現する、2012年11月現在国内家庭向け無線LAN機器として最速スペックとする点を特長とする。IEEE802.11nに続く次世代無線LAN規格と目される「802.11ac」の技術の一部を取り入れ、802.11acで採用される技術のうち、802.11nの64QAMからより密度の高い“256QAMの多値変調方式”を採用、802.11nの6ビット変調を“8ビット変調”に高密度化することで、802.11n比で伝送能力を1.33...倍に向上させた。3ストリーム/最大450Mbpsの802.11nをベースに、約1.3倍となる600Mbpsまで最大速度を高めている。
親機となるWZR-D1100Hとともに、600Mbps通信対応イーサネットコンバータ「WLI-H4-D600」およびイーサネットコンバータセットパッケージ「WZR-D1100H/E」も用意する。本機の最大600Mbps通信は現時点WLI-H4-D600との通信でのみ利用できるので、AV機器の無線LAN化と同時にネットワーク再生時の「高速・安定」を望む今回は、それぞれをセットで導入するのが向いている。
イーサネットコンバータは無線LANルータの親機に対する子機──というより、離れた場所で接続するために用いる長いLANケーブル部分を無線化する機能を持つと考えてもよい。この部分を、802.11n(の現時点最大450Mbps)よりポテンシャルが高いと想定される802.11ac技術を用いた最大600Mbpsで接続することで、より安心感を高める計画だ。なお、無線LAN搭載ノートPCとは既存のIEEE802.11n接続となるが、IEE802.11nも2.4GHz帯/5GHz帯それぞれで最大450Mbps/3×3 MIMOでの通信をサポートする。PCやスマートデバイスにおける一般利用の範囲においては……今のところこのスペックで不足はないだろう。
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