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良くできたカジュアルPCオーディオ、ヤマハ「YSP-4300」を徹底検証(後編)リビングにも音楽を(1/2 ページ)

» 2012年11月16日 20時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 前編では、ヤマハの「YS-4300」をフロントサラウンドシステムとして検証した。しかし、今年のYSPシリーズには、もう1つ見逃せない点がある。それはワイヤレスオーディオ機器としての使い方だ。


 今や、音楽の再生機器はPCやシリコンオーディオが中心。リビングルームからステレオが消え、薄型テレビが唯一の音響機器という家庭も少なくない。そんな時代にあって、新しいYSPシリーズはふたたびリビングルームに置くオーディオ機器という提案を盛り込んでいる。

「YSP-4300」と「YSP-3300」の両方を借りることができたので、今回は「YSP-3300」と東芝“REGZA”Z7シリーズの組み合わせ。YSP-3300の幅は100ミリで、狭額フレームのテレビなら47インチ「47Z7」でもぴったりだ(左)。新たに搭載した16センチ径ウーファーユニットはワイヤレスオーディオとしての用途も多分に意識したもの(右)

 前回も触れた通り「YSP-4300/3300」では、メインユニットの左右端に6.5センチ径のウーファーユニットを配置して音のつながりを改善するとともに、ステレオ再生時の定位を高めている。また、iPod/iPhoneなどのドックコネクターに接続できるAirWiredワイヤレストランスミッター「YIT-W12」を同梱(どうこん)したことで、追加投資の必要なく手軽にワイヤレス再生が行えるようになった。付属のUSBケーブルを使えば、Windows PCやMacにも使える。

標準で付属するAirWiredトランスミッター「YIT-W12」(左)。iPhone 4Sに接続してワイヤレス再生中(右)

 もちろん、iPodやPCを接続するだけなら、一般的なサウンドバーでもアナログ接続や光デジタル入力を使えば可能だ。しかし、コンパクトなワイヤレスユニットは手軽さが違う上、音質面のメリットも大きい。例えば、AirWiredは非圧縮かつ低遅延。また従来のアナログ接続では、高周波ノイズの多いPC内でD/A変換を行うためノイズの混入が避けられないが、USBオーディオに対応するワイヤレスユニットを使えばデジタル信号のまま伝送できる。つまり、PC内のノイズの影響は受けないというメリットがある。

 さらに新しいYSPシリーズは、別体のサブウーファーともAirWiredで通信を行う。メインユニット(サウンドバー)とサブウファーがそれぞれ無線を直接受信することで、遅延や音質的なロスを抑える仕組みだ。

「YIT-W12」の使い方

AirWiredトランスミッターにUSBケーブルをプラスしてPC/Macから音楽再生

 ワイヤレストランスミッターの使い方は簡単だ。iOSデバイスなら、ドックコネクターにつなぐだけ。PCの場合も、USBケーブルで接続すればOSのインボックスドライバー(標準ドライバー)でオーディオデバイスとして認識されるため、別途ドライバーのインストール作業などは発生しない。後は音声の出力先として選択するだけ。プレーヤーソフトによっては出力先のオーディオデバイスを明示的に指定できるので、音楽のみをYSP-3300、YSP-4300で再生し、ほかの効果音などはPC側で再生することも可能だ。

Windows 7の設定画面。付属のワイヤレストランスミッター「YIT-W12」はUSBオーディオ機器として認識されるため、個別のドライバインストールなど不要だ

 対応するサンプリングレートとビット深度は、32kHz/16bit、44.1kHz/16bit、48kHz/16bitをサポート。いわゆるハイレゾ音源には対応していないものの、PC上で扱うほとんどのデジタルオーディオファイルをダイレクトにワイヤレス伝送できる。

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