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ビデオはコンビニで借りる? U-NEXTに聞いた「MOVIE CARD」の実際(1/2 ページ)

» 2013年04月10日 20時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
黄色い什器がエンタメCARDのしるし

 近所に「ローソン」がある人なら1度は見たことがあるだろう。ちょっと派手な黄色い什器(じゅうき)に「エンタメCARD」の文字。PCやスマートフォンで映画や音楽を楽しめるプリペイド式カードだ。

 エンタメCARDには、音楽ダウンロードの「MUSIC CARD」と、映画やドラマをインターネット経由で視聴できる「MOVIE CARD」の2種類がある。このうちMOVIE CARDを提供しているのが、VoD(ビデオ・オン・デマンド)事業者として知られるU-NEXT。同社は定額制の“見放題”サービスとPPV(ペイ・パー・ビュー)を2本柱にサービスを展開しているが、MOVIE CARDは会員登なしでその一部を利用する形になる。

 U-NEXTマーケティング推進本部コミュニケーション推進部の吉本礼遵部長は、「月額サービスには、個人情報の入力や決済手段の登録など、人によってはハードルが高いケースもあります。そもそも若年層はクレジットカードを持っていません。そうしたユーザー層を取り込むのが、MOVIE CARDの狙いです」と話す。

 購入したカードの裏には“銀刷り”があり、これをコインなどで削るとギフトコード(PIN)が現れる。PCやテレビなど、同社のサービスに対応した機器で専用URLにアクセスし、PINを入力すれば、指定の動画が視聴できるという仕組みだ。再生は視聴期間が決まっているため、イメージとしてはレンタルビデオに近いが、返却は不要で延滞金が生じることもない。再生前にはユーザー登録を求められるが、メールアドレスのほかは性別、生年月日といった簡単なものだ(ゲストユーザー扱い)。

 コンビニ販売では、高速なネット接続環境を持たない人が購入する可能性もあるが、U-NEXTの“マルチスクリーン対応”が保険になっている。「U-NEXTは、帯域幅によってサーバ側で送出する動画ファイルを切り替える仕組みを持っており、500kbps程度から再生できます」。最低でもスマートフォンと3G回線があれば視聴できるため、「カードを購入したのに視聴できない」といった問い合わせはあまりないという。

カードがコレクターズアイテムに?

 同社は、昨年12月4日に第1弾として「ダークナイト ライジング」など4種類のカードを発売。以来、3度ほどタイトルを追加し、現在は14タイトルをラインアップしている(一部、権利切れのコンテンツもあり)。「もともと“コンビニで買えるレンタルビデオ”という触れ込みなので、ラインアップはBD/DVDレンタルと同時に配信を開始する新作がメイン。価格はレンタルビデオと同等ですが、各カードにU-NEXTで使えるポイントが付いており、3枚カードを購入すると新作が1本無料で視聴できるので、少し割安な設定といえます」。ただし、ポイントの期限が45日間という点には注意したい。

これまでに発売された「MOVIE CARD」。ビデオレンタル代わりに使える1コンテンツのカード意外に、ドラマの1シーズンをすべて視聴できるパッケージのカードや、1万3000本以上の順新作・旧作コンテンツが7日間見放題になる「7days」カードなど、VoDならではの展開もある

 新作14タイトルではレンタルビデオ店と比べていかにも少ないが、実は順新作や旧作については1万3000本以上がそろっている。もちろんコンビニの店頭に並んでいるのではなく、「7days」と描かれたカードを購入すると、映画やアニメ、ドラマなど7ジャンルの順新作と旧作が7日間“見放題”になるのだ。実際にローソンの店頭でもっとも売れているのは、この7daysカードだという。

 ちなみに、「7days」カードの右下に描かれている「その他♥」というジャンルは、アダルトコンテンツのこと。もともと“見放題”メニューに同ジャンルが含まれているのはU-NEXTだけの特長だが、ゲストユーザー登録のMOVIE CARDでも利用できるのはありが……ますますユニークだ。「7daysカードで視聴できる順新作・旧作でも常時1000本くらいあります」(吉本氏)。

ちょっとコンビニ行ってくる

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