ソニーの「ICD-SX1000」は、ステレオマイクとズームマイクを切替可能な3マイクシステムを搭載し、非圧縮リニアPCM録音形式(96kHz/24bit)に対応したステレオICレコーダーである。その仕様は、普通の“ちょっといいICレコーダー”そのままだが、他社製品と大きく異なる点がある。それは、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源再生に対応しているということ。今回は、ICレコーダーとしての使い勝手に加え、ポータブルのハイレゾプレーヤーという視点でも検証していこう。
高音質なステレオ録音というと、例えば楽器演奏の記録、あるいはいわゆる屋外生録といった用途などに使うべきものなのかと考えてしまうが、会議やインタビューでもステレオマイク(あるいはズームマイク)や高音質での録音は聞きやすさをもたらしてくれるし、当然ながら会議録の作成などに便利な機能も備えている。
充電やPC接続を行う際に用いるUSB端子(Type-A、High-Speed USB対応)は本体に収納されており、利用時にはスライドして引き出す形式だ。メモリースティック マイクロ(M2)/microSD対応のカードスロットも装備している。このあたりは、一般的なICレコーダーそのものといっていい内容だろう。実際に、さまざまなシーンで録音を試してみたが、インタビューの音声なども非常に聞き取りやすく、また、屋外録音では音源の位置関係などもしっかり把握できる程度のステレオ感がある。
録音を行うには、基本的には「電源/ホールド」スイッチをスライドして電源をオンにし、録音ボタンを押せばいい。表示窓にはピークメーターで確認できるため、入力レベルを確認しつつ、ICレコーダーの角度や距離を調整可能だ。マイク感度の設定は、ステレオマイク利用時には音声用(オート/高/中/低)と音楽用(高/低)、ズームマイク利用時には(ズーム1/ズーム2/ズーム3)が用意されている。
音声録音する際には、ステレオマイクでは通常はオート(自動設定)で問題ないだろうが、より確実性を求める場合、あるいはズームマイクを用いる場合には、広い会議室であれば「高」、通常の対面会話であれば「中」、口述録音などには「低」を用いれば最適な録音が可能だ。また、音楽用は、少人数でのコーラスや楽器から少し離れて録音する際には「高」、大きな音でのバンド練習などには「低」が推奨されている。
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