JVCケンウッドは10月25日、D-ILAプロジェクターの新製品として「DLA-X700R」および「DLA-X500R」を発表した。新たにHDMIの4K/60p入力に対応したほか、上位モデルには初めてアイリスを搭載してコントラストの向上を図った。12月上旬に発売する予定で、価格はDLA-X500Rがオープン(実売49万8000円前後)、DLA-X700Rは84万円となっている。
型番 | カラー | 価格 | 発売日 |
---|---|---|---|
DLA-X700R | ブラック | 84万円(税込み) | 12月上旬 |
DLA-X500R | ブラック(マット)、ホワイト(マット) | オープン(実売49万8000円前後) | 12月上旬 |
フルHDのD-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)デバイスに“画素ずらし”機構の「e-shift 3」を組み合わせて4K(3840×2160ピクセル)表示を可能にしたホームシアター向けプロジェクター。D-ILA素子は第6世代となり、平たん化や画素間の狭ギャップ化が図られた。ギャップは従来の0.5マイクロメートルから0.3マイクロメートルへと狭くなり、より格子が目立たない緻密(ちみつ)な映像表現が可能になったという。一方のe-shift 3は基本的に変わっていないが、D-ILA素子の変更と4K入力対応に合わせて駆動方法を見直し、チラツキを抑制する。
もっとも大きな変化は、「インテリジェント・レンズ・アパーチャー」と呼ばれるオート・アイリス(絞り)機構だろう。これまでJVCはネイティブコントラストにこだわり続けてきたが、「ユーザーや販売店の声」に背中を押される形で初めてアイリスを採用した。しかし、同社の予想以上に相性は良かったようだ。
「もともと12万:1という高いコントラストを持っていため、絞りの動きは極力少なくできた。すると(白の)ピークが落ちず、ピーク感を残しながら黒の質感を高めることに成功した」。さらにレンズの稼働範囲も少ないため、映像に違和感を残すことも少ないという。
さらに「クリアブラック」と呼ぶ新しいアルゴリズムを導入した。これは、隣接する画素間において、明暗差の大きい個所に生じやすい“白にじみ”を抑えるという。「例えば、白のピークの点を映し出したとき、周囲の画素にはフレア成分(黒浮き)が出るもの。そのフレア成分を測定して関数化しておき、実際に明暗差が強い映像を映す際、関数を引く処理を行う」。これにより、白にじみを抑え、メリハリのある映像を再現できるようになった。
アイリスの搭載とクリアブラックにより、DLA-X700Rはダイナミックコントラストで120万:1を実現。同社では、「暗いシーンでは、それまでの画面からベールを一枚はいだかのような漆黒を表現できる。“究極の黒”だ」と胸を張った。
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