Bluetooth Special Interest Group(以下、Bluetooth SIG)は11月6日、Bluetooh技術の最新動向を解説する説明会を開催。Bluetooth SIGのチーフマーケティングオフィサーであるスーク・ジャワンダ氏が、12月に正式発表される次期Bluetooth規格4.1をプレビューしたほか、メンバー各社による最新製品の紹介が行われた。
Bluetooth SIGが発足したのは1998年。7社だった参画企業は2008年までの10年間に1万社まで拡大し、Bluetoothデバイスの累計出荷台数は10億台に達している。
ジャワンダ氏は、「当時はワイヤレスでコミュニケーションできたらどうだろうという命題があった」と振り返り、その後、Bluetoothで接続されるワイヤレスオーディオ機器のブームに乗って、急速にBluetoothが浸透していったと説明した。特に、直近の2010年から2012年では、Bluetooth搭載スマートフォンからスピーカーに転送するという利用シーンによって、2年間で308%も増加したという。
次の命題となったのが「すべてのものと接続すること」。ここで重要になるのが省電力である点だ。ジャワンダ氏は、2010年に採択されたBluetooth 4.0(Bluetooth Smart)の特徴として、小さなボタン電池で1、2年のあいだリチャージなしで使える点などを挙げ、アップルのiOSやGoogleのAndroid 4.3、マイクロソフトのWindows 8.1、BrackBerryといったメジャーなモバイルOSがネイティブでBluetooth 4.0をサポートしている点を強調。さらに東芝やナイキ、サムスン、アディダスといったビックブランドだけでなく、スタートアップ企業やクラウドファンディングも含めると、無線関連プロジェクトの84%でBluetooth Smartが利用されていると述べ、2014年までにBluetooth Smart対応デバイスが30億台(2万社)に達するというABI Researchの調査結果を引用した。Bluetooth 4.0は特にスポーツや医療の分野で大きな広がりを見せているという。
そして最新バージョンの4.1では、「すべてのモノをインターネットに接続すること」を目指す。ジャワンダ氏はその特徴として、LTEとのシームレスな動作や干渉の少ない再接続、効率的なデータ転送を挙げるほか、革新的なフィーチャーとしてBluetooth 4.1が直接インターネットに接続できる点を強調し、この新しい接続方法により多彩な製品開発が可能になると説明する。これまでの4.0ではデバイス間の相互接続が主要な目的だったが、4.1ではアプリケーションを介することなく、Bluetooth機器がルーター(4.1対応が必要)をハブとして直接クラウドに接続し、情報のやり取りが行えるようになる。ジャワンダ氏はその利用シーンとして、土壌の水分を測定する畑に埋め込まれたセンサーがスプリンクラーのオン/オフを制御したり、天気のデータベースを参照して、例えば2時間後に雨が降るのでスプリンクラーを動かす必要はないと判断できるような未来を提示した。
なお、説明会場にはメンバー各社による最新のBluetooth対応製品が展示されていたので写真で紹介しよう。
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