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» 2014年03月31日 14時52分 公開

3匹が聴く!:ハイレゾ音源だってばっちり――イヤフォン・バイヤーズガイド2014年“春”(実売5万円以上編) (2/3)

[ITmedia]

オーディオテクニカ「ATH-IM04」

 オーディオテクニカとしては初となるバランスド・アーマチュア型ドライバーを4基搭載した3Wayモデル。低域用が2、中域用が1、高域用1という構成で、専用設計のネットワークによりモニターサウンドを描き出す。

 半透明の樹脂製ハウジングは、密閉性の確保に必要な最小サイズを追求したというエルゴノミックデザイン。着脱式のコードにはワイヤーが入っており、耳掛け式として利用できる。

オーディオテクニカ「ATH-IM04」

野村 ☆☆☆☆☆

カスタムインイヤーを普段から聴いている人も納得のサウンド。強調感のない自然なバランスの高域や、フォーカス感の高い低域によって、自然でリアル志向のサウンドが表現されている。全帯域で解像度が高く、現在のオーディオテクニカの最高峰といえる存在。


坂井 ☆☆☆☆☆

装着感も良ければ、シュア掛けすることでフィット感も良好。このボディーの大きさから考えるとユーザービリティーは抜群といえる。低域が少し目立つチューニングで、音の立ち上がりが良く、楽器が生き生きと聞こえてくる。力強さと繊細さがいい感じで混在。


滝田 ☆☆☆☆☆

“オーディオテクニカならでは”といえそうな、ていねいな音作りが全帯域で4つのドライバーから再現されている。1つ1つの楽器の音がしっかりと耳まで届き、その瑞々しいまでの表現力が、どんなジャンルにおいてもしっかりと発揮される。装着感、使い勝手も上々。



ゼンハイザー「IE 800」

 2012年の年末に登場したゼンハイザーのフラグシップモデル。ドイツで設計・開発されたもので、専用設計の7ミリ径「XWBトランスデューサー」(ダイナミック型ユニット)および「D2CAテクノロジー」(Damped 2 chamber absorber)が技術的な特長といえる。

 ケーブルを含めても約16グラムと非常に小柄だが、セラミック製のハウジング部には光沢塗装仕上げが施されており、よく見ると高級感がある。@Kaopanの愛用機でもあるというが、果たして評価は?

ゼンハイザー「IE 800」

野村 ☆☆☆☆☆

ここまで音がつややかなイヤフォンは、なかなかお耳に掛かれない。粘りがあって、しなやか。こんなにも小さな筐体、しかもダイナミック型ドライバーによってここまで存在感のあるサウンドが生み出せるなんて、まさに驚きだ。


坂井 ☆☆☆☆☆

デザインが秀逸。硬そうな素材ながら、ハウジングが小さいので女性の小さな耳にも装着しやすい。それでいて音の表現力などは文句なし。ゼンハイザーらしいホールっぽい音ではないけれど、もしかしたらこちらが新境地なのかも。


滝田 ☆☆☆☆☆

上には上があるんだと思わせる1本。「IE80」でも相当にレベルの高いサウンドだったが、最新のフラッグシップモデルは、音の粒子感などがさらに上。聞こえる楽器の数が段違いで、表現力がさらに高まっている。



AKG「K3003」

 2011年秋に登場したAKGのフラグシップモデル。近年、国内メーカーなども手がけるようになった異種ドライバーによるハイブリッド型の先駆けで、中域用と高域用にバランスドアーマチュア型ドライバーを1つずつ、低域用にダイナミック型ドライバーを搭載している。

 ハウジングやコネクター類にステンレスを使用し、ケーブルに布+ラバー皮膜を採用するなど、素材についてはかなりのこだわりが見られる。また3タイプのメカニカルチューニングフィルターが付属しており、ユーザーが好みによってサウンドバランスを調整できるあたりも高級モデルならでは。

AKG「K3003」

野村 ☆☆☆☆☆

まるでオープンエアーかと思わせるほどの空間表現を感じさせてくれた衝撃の1本。ハイブリッドとかBA 2発とか、スペックすらもどうでもよくなるほどの完成度の高さは、AKGの魂が隅々にまで十分詰まっているからか。


坂井 ☆☆☆☆☆

このコンパクトな筐体のなかで、広大な音楽の森に永遠に迷い込んでしまいたくなるほどの音質。内側のパーツを変えることで、音のバランスなどを自分好みに近づけられる遊び心も、多くの人を引きつける魅力なのでは。


滝田 ☆☆☆☆☆

イヤフォンでここまで空間の広がりを出せるのは、さすがAKGが本気でチューニングをしたから。デザインも高級感漂う重みある金属筐体なので、モノとして非常に欲しくなるオーラを漂わせている。イヤフォンというより工芸品。



Shure「SE846」

 昨年夏にシュア・ジャパン(販売は完実電気)が投入したバランスド・アーマチュア型4ドライバーのフラグシップモデル。高域、中域の専用ドライバー各1基に加え、低域用に2基のドライバーを使用する3Way4ドライバーシステムで、ドライバーはすべて新規開発だ。

 ほかにも微細な穴をたくさんもつステンレス製のローパスフィルターなど最新の技術をおしげもなく投入。ノズル部分の取り外しが可能な「ムーバブルノズル構造」と、その中に入れる「ノズルインサート」でユーザーが好みの音に調整できるギミックも備えている。

Shure「SE846」

野村 ☆☆☆☆☆

ミュージシャンがステージで気持ちがいいと感じる音を、そのままリスナーに伝えてくれるキング・オブ・シュア。目立つディップが皆無で、倍音がキレイに揃っているため、さまざまな曲が心地よく感じる。ローパスフィルターで中域の音色感もかなりピュアな印象だ。


坂井 ☆☆☆☆☆

イヤフォンの限界を超越しているんじゃないか? と思わせるほどの音を堪能できる秀逸なモデル。とにかく、どんな音楽を聴いていても楽しい。目の前にそのミュージシャンがビジュアル化されそうなリアリティーも素晴らしい。選んで間違いないのない1本。


滝田 ☆☆☆☆☆

満点以上の評価。小さなイヤフォンでも、ここまで音楽を表現できるんだということを教えてくれる。BA 4発で、耳穴の中に、どんな大きさのホールやライブハウスでも再現してくれる。内部構造の見えるクリアなボディーは、その自信の表れなのかもしれない。



FitEar「Parterre」(パルテール)

 カスタムイヤーモニターをメインに手がける「FitEar」(フィットイヤー)の須山歯研が昨年春に投入したユニバーサルモデル(耳型を採る必要のない一般的なスタイル)。ドライバー構成は非公開ながら、「担当する周波数レンジを完全に独立させるアコースティックフィルター&ネットワークが採用されている」ということから、少なくとも2Way以上のマルチドライバーであることがうかがえる。

 ケーブルは、FitEar独自の2ピンコネクターを採用した着脱式で、耳掛けにできる「FItEar cable 001」が付属する。

FitEar「Parterre」(パルテール)

野村 ☆☆☆☆☆

オーディオ用というよりも、プロがしっかりと音を判別するためのモニター用イヤフォンというキャラクターを強く感じる製品。ある意味、現存するイヤフォンのなかでもっとも“原音主義”かも。おかげで、音楽の本当の魅力をストレートに伝えてくれる。


坂井 ☆☆☆☆

音はすごく良い。再現性も申し分ないのだけれど、あまりにもモニター的な音で感情が高ぶらない。このイヤフォンの持つメッセージ性みたいなものが伝わって来なかったのは残念。面白みに欠けるので、音楽の“音を楽しむ”という目的には向かないかも。


滝田 ☆☆☆☆☆

形状的には面白いし、個性的だが、音はとにかく直球。低域から高域までスタジオで作った音質を、そのまま楽しませてくれるイヤフォン。ただし、それぞれのイヤフォンが持つ癖やカラーみたいなものが一切ない、生真面目さは評価が分かれるかも。



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