ITmedia NEWS >

クリプトン、ハイレゾ対応の小型アクティブスピーカー上位機「KS-7HQM」を発表普及型リファレンス機も(1/2 ページ)

» 2014年09月12日 16時58分 公開
[ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 クリプトンは9月12日、ハイレゾ音源対応スピーカーシステムの新製品を発表した。アンプ内蔵の小型システム「KS-7HQM」と単品スピーカーの「KX-1」をラインアップ。いずれも10月上旬に発売予定で、価格は「KS-7HQM」がオープン(実売想定価格25万円)、「KX-1」は定価25万円(税別)となっている。

「KX-1」。サランネットは着脱可能な磁石式。ネオフェードカーボンマトリックス3層材のインシュレーターが付属する

 「KS-7HQM」は、同社が展開しているニアフィールド向け一体型スピーカーシステム「HQM」シリーズのフラグシップモデルに位置づけられる。従来の「KS-1HQM/3HQM」はフルレンジ1発だったが、日本オーディオ協会が提唱したハイレゾ対応機器の要件に適合させるため、新たに6万Hzまで再生できる30ミリ径リングツィーターを搭載して2Way化。84ミリ径ウーファーと折り曲げたダクトを使ったバスレフ方式で「小型サイズとは思えない豊かな低域再生」を可能にした。

 スピーカー1本のサイズは、130(幅)×200(高さ)×170(奥行き)ミリ(スピーカーベースを含む)。エンクロージャーは厚さ8ミリのオールアルミ製で、ラウンドしたフォルムが新しい。剛性を高めて共振を抑えるほか、箱形スピーカーの欠点でもあるディフラクション(回折)を改善する効果もあるという。

 再生可能な音源は、PCMの192kHz/24bitまで。右スピーカーの下部には3つのLEDインジケーターを備え、再生している楽曲のサンプリング周波数が分かる仕組みになっている。

インジケーター。オレンジで1つ点灯していると48kHz/24bit、2つなら96kHz/24bit、3つで192kHz/24bit。一方、44.1kHz、88.2kHz、176.4kHzといった44.1kHz系ではグリーンに点灯する

 回路構成もユニークだ。一般的なDACチップは使用せず、DDC(Digital to Digital Converter)とデジタルクロスオーバー回路を介してフルデジタルアンプに入力するという回路構成も特徴だ。デジタルクロスオーバーはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたDSPで、プログラムによって機能の追加も可能。ここでL/Rチャンネルをそれぞれ高域と低域に分け、それぞれを個別のデジタルアンプで駆動するバイアンプ方式になっている。

 「デジタル信号をダイレクトに再生するため変換ロスがなく、ハイレゾ音源を忠実に再現できる。また2Wayの高域と低域を分けて駆動することで互いの干渉を防ぎ、極めてひずみの少ない音質を実現した」(同社)。

回路図(左)。キャビネットは厚いアルミ製

 ただし、ニアフィールド用のスピーカーは壁際に置かれることも多く、いわゆる“ミラー効果”で意図せず低域が強調されてしまうケースがある。これに対応するため、ボタン操作で低域を調整する機能も用意した。「これができるのもFPGAでコントロールできるから。今後、ソフトウェアのバージョンアップなども検討していく」(同社)。

 もう1つの特徴は、豊富な入力端子だ。USBのほかに光デジタル(192Hz伝送対応)とアナログ(ステレオミニ)、さらにHDMIの入出力を用意した。これにより、Blu-ray Discプレイヤーと接続してBDオーディオのハイレゾ再生が可能だ。「オーディオファンにはPCの操作が苦手という人たちも多い。HDMI端子を備えたことで、従来のディスクメディアと代わらない操作でハイレゾ音源が楽しめる。2chのBDオーディオ対応と考えてほしい」(同社)。

HDMIなど豊富な入力端子を持つ(左)、接続例(右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.