小学校3〜4年生といえば9歳〜10歳。さすがに物心ついた時から親世代がケータイは当たり前に使いこなし、スマホも少しずつ普及し始めた時期に幼少期を迎えている世代である。普通にスマホのアプリに触れて、あっという間に目的の画面に到達する子が大半だ。
先生「まずは前に動かしてみましょう。実験室で『前にすすむ』を押して、下部の『スライドでスタート』を右へスライドしてみて」
このあたりになると教室の様子は授業開始当初とは全然違う雰囲気になっていた。周囲の大人たちの存在などどこ吹く風。目をキラキラさせながら、それぞれが「Romo」に触れながら、声を出して驚いたり、笑ったり、自分たちでどんどん試し始める。
先生「じゃあ、次は進む距離を変えてみましょう。実験室で『前にすすむ』を押して、スライドで「きょり」の長さを変えて、『スライドでスタート』を右へスライドしてみて」
このあたりまではほとんど問題なく、すべての生徒たちがクリアしていた。続いては、少し複雑になる。
先生「続いて回転させてみます。実験室で『前にすすむ』を左にスライド、『×』を押して、『回転』を押します。そしたら、『曲がる』を押す。さらに、『角度(かくど)』『直径(ちょっけい)』スライドで「きょり」の長さを変えて、『スライドでスタート』を変えて動かしてみて」
設定が少し複雑な分、子どもたちは考えながら手順が描かれたスライドを確認したり、先生や周囲のスタッフにたずねてみたり、それぞれが解決に向けて画面を設定して、実際に動かしてみる。このあたりでさまざまな生徒が、「Romo」を通じて、ロボットというものが自分の命令通りに動かせることに気づき始め、だんだんと次の指示が待ちきれないといった感じで興味津々、教室全体がざわざわし出す。
この後、練習問題として、1.)「Romoを四角に走らせてみよう」、2.)「Romoを丸に走らせてみよう」と出題される。それぞれこれまで学んだやり方を組み合わせれば、「Romo」をその通りに動かせる問題であり、教室のそこかしこで「できた!」「あれー?」「動いたー」などなどの声が響いた。子どもたちは代わる代わる「Romo」にいろいろな動きをさせている。課題通りに動かしている子もいれば、すでに“おならをさせる”などの隠しコマンドや、顔を擦って“おこらせる”などを発見する子まで出てきていた。また、そういった自分とは違う動きなどを発見した子にやり方をきき、また別の子に伝えるなど、「Romo」への興味がそのままコミュニケーションにつながっているのが印象的だった。
練習問題も終わり、いよいよ待ちに待ったゲームに挑戦することになった生徒たち。ゲームは長方形のマット上に置かれたスタートの立て札から、ゴールの立て札まで、周囲に置いてあるさまざまな障害物にぶつからないように「Romo」を移動させるというものだ。
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