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ソニーの“ウォークマン”最上位機「NW-ZX2」詳報――DSD再生の強化やmicroSDカードに対応2015 CES(1/2 ページ)

» 2015年01月06日 18時09分 公開
[山本敦,ITmedia]

 ソニーが「2015 International CES」で、“ウォークマン”の新しいフラグシップモデル「NW-ZX2」を発表した。北米では今春の発売が予定されているようだ。価格については、展示スタッフに問い合わせてみたが、やはり明確な回答は得られなかった。速報に引き続き、本機の詳報をお届けしよう。

「NW-ZX2」と「MDR-1A」との組み合わせで試聴した

背面はラバーグリップ仕様、底面には大型で信頼性の高い3.5ミリステレオミニジャックを装備した

 「NW-ZX2」は、プラットフォームにAndroid 4.2を採用したポータブルオーディオプレイヤーだ。4.0型のFWVGA(854×480ピクセル)の液晶ディスプレイという仕様は、既存モデルの「NW-ZX1」から変わらず。液晶テレビ“ブラビア”の広色域化技術「トリルミナスディスプレイ for mobile」も継承している。またハイレゾ対応のフルデジタルアンプ「S-Master HX」や、圧縮音源も高音域を補完してハイレゾ相当の情報量にアップグレードする「DSEE HX」など、高音質化技術も採用している。

本体側面にはボリュームや曲送り、再生停止のボタンを搭載。ボタンのサイズは大きめになった

 ZX1からの変更点として、DSD再生が2.8MHzだけでなく5.6MHzにも対応するようだ。ただし、DSD音源のネイティブ再生には対応しておらず、リニアPCM変換再生になる。またDSD再生のメニュー画面を確認したところ、スローロールオフ/シャープロールオフの2種類のデジタルフィルターが切り替えられる仕様も確認できた。

DSD再生時には2種類のフィルターが選択できる

 なお、リニアPCM系のハイレゾファイル再生は、WAV/AIFF/FLAC/ALACに対応する。この仕様はZX1と同じだ。

 本体底部には、3.5ミリのステレオミニジャックを搭載。記憶媒体はZX1では128Gバイトの内蔵メモリーのみだったが、ZX2ではこれに加えてmicroSDカードを外部記憶媒体として使うことが可能で、スロットを1基設けている。2つのストレージを合わせれば最大256Gバイトのストレージが利用できる。

 ワイヤレス再生はハイレゾに迫る高品位再生をワイヤレスで実現する、Bluetoothをベースにしたソニー独自開発の新コーデック「LDAC」に対応。Bluetoothの音楽再生プロファイル「A2DP」の標準コーデックである「SBC」と比べて最大約3倍の情報量が伝送できる特徴を持つ。SBCの最大転送ビットレートが328kbpsとなるので、その約3倍となれば最大で約990kbpsの転送ビットレートが確保できる計算だ。

 会場で実機のメニュー画面をチェックしてみたところ、Bluetoothのワイヤレス伝送が3種類の音質から選べるようになっていることが分かった。おそらくLDACの転送ビットレートを3段階で切り替えられる仕様になるものと思われる。なお、「A10シリーズ」で対応したaptXはサポートしていない。

「ワイヤレス再生品質=LDAC」の音質選択メニュー。3種類から切り替えられるようだ

 別記事で詳しくお伝えするが、LDACに対応するレシーバー搭載機器もヘッドフォンやスピーカー、ホームシアターシステムにAVアンプなど、さまざまな製品が展示されている。ペアリングがNFCによりワンタッチでできるのが便利だ。

 なお、ハイレゾ対応“ウォークマン”の入門機である「A10シリーズ」も、今後ファームウェアのアップデートでLDACに対応する予定だという。本機は高音質コーデックのaptXにも対応しているので、LDACとの聴き比べも楽しめそうだ。

LDACの効果をON/OFFで比較できる展示も用意

 筐体(きょうたい)内部のパーツ選択にこだわっているところも最上位機ならでは。外装はラウンド形状に削り出したアルミフレームを採用し、内部に金メッキ処理の銅板を配置したことで、電気抵抗率を下げてグラウンドの安定性を確保する。これが低域を引き締める効果につながっているという。

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