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これがオススメ! 注目のハイレゾ対応オーディオ機器3つ山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/3 ページ)

» 2015年01月21日 16時36分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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BDプレイヤーのノウハウが活きている――OPPO Digital「HA-1」

 次にご紹介するのが、ヘッドフォンアンプ&USB-DACのOPPO Digital「HA-1」だ。オッポといえば、ユニバーサルBDプレイヤーが有名だが、ハイレゾファイル再生用にこのUSB-DACを使用してみて、その音のよさに強い感銘を受けた。

OPPO Digitalの「HA-1(JP)」。ヘッドフォンのバランス出力に対応する。直販価格は15万5000円

 完全バランス設計のA級動作ヘッドフォンアンプとモーター駆動のアナログボリュームを採用したプリアンプ機能を合体させているので、2chパワーアンプかアクティブ・スピーカーをつなげばすぐにハイレゾ再生が楽しめる。内部をのぞくと、カスタム設計という大型のトロイダルトランスの威容、電源回路、デジタルオーディオ回路、アナログオーディオ回路の整然としたレイアウトに目を奪われる。

 DACチップは、パイオニア「N-70A」で採用された「ES9016」の上級タイプとなるESSの最高峰、32bit/8チャンネル仕様の「ES9018」だ。興味深いのは、11.2MHz DSDファイルに初対応していること。メーカー保証の対応レゾリューションとしては世界最強モデルの1つといっていい。

 USB-DACとしての音質は、同社製ユニバーサルBDプレイヤーの「BDP-105DJP」に相通じる明朗闊達(めいろうかったつ)なキャラクター。すくすくと育った健康優良児を思わせる、もったいぶったところのない爽快なサウンドだ。低音の押し出しのよさも値段を考えると驚異的で、物量を投入した良質な電源回路がその音調に寄与しているのだろう。

出力はXLRバランスとRCA

 OTOTOYから配信されている11.2MHz DSDファイル(商用配信としては世界初)の「I See You While Playing The Piano/JOSEI 」を本機で聴くチャンスがあったが、その音のすばらしさにドキモを抜かれた。これはジャズ・ピアニストの丈青さんが、イタリア産現代ピアノの名器「ファツォーリF278」を弾いたソロ・ピアノ集なのだが、その磨き抜かれた精緻な音像の美しさに一瞬にして心を奪われた。音場感の豊かさも出色で、収録会場のスパイラルホール(東京・青山)の客席に座って彼の演奏を聴いている実感がありありと得られるのだ。

直販限定のシルバーモデル

 もちろんヘッドフォンアンプとしての魅力も大きい。前述のように完全バランス設計のA級動作が実現されており、同社製高級ヘッドフォンの「PM-1」とバランス接続(別売りのバランスケーブルが必要)でその音を聴いてみたが、きわめて情報量が多く、しかも帯域バランスが絶妙で聴き応えがある。定評のある高級ヘッドフォン、ヘッドフォンアンプを聴いてもドンシャリな音に聴こえ、心を奪われた経験がほとんどない筆者だが、スピーカー・リスニングと比較して違和感が少ないこのペアが聴かせる真っ当な音は、しっくりと耳に馴染んだ。

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