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» 2015年01月26日 12時38分 公開

2015 CES:有機ELにHDR、中国メーカーの躍進、そしてテレビ向けOSの行方――「2015 CES」を象徴する4つのトピック (2/4)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

4Kテレビには4Kのコンテンツが必要

 単純にパネル解像度や3Dのようなスペックだけでなく、ほぼすべてのメーカーが高画質技術をアピールし始めたのは非常に興味深い。だが日本メーカーが4K技術を模索し始めたころ、当時はまだ4K表示を行うための映像ソースがほとんどなく、HEVCのようなコーデック技術やHDMIのような転送ケーブルの規格も十分にそろっていなかった。そのため、メーカー各社はフルHDの映像ソースをアップスケーリングで高画質表示させる方法を模索していた。こうしたなか、現在ではNetflixをはじめ4Kの動画ストリーミング配信を行うサービスも多数出現し、4K撮影が可能なビデオレコーダーや高画質カメラなどもホームユースへの提供が始まったことで、数年前に比べればはるかに4Kを楽しむための下地が整いつつある。各社ブースには、この4Kのオンライン配信コンテンツに関する展示コーナーが必ず設けてあったのが印象的だ。

今夏に標準策定が完了するといわれるUltra HD BD(4K BD)に対応したプレイヤーがパナソニックで展示されていたが、このUltra HD BDにはHDRに関する映像信号情報を認識する機能が含まれており、プレイヤーがこの情報を感知するとHDR対応TVに対してHDR用の出力を行い、通常のSDR再生よりも高画質の映像が楽しめる

 ただし、現状のストリーミング配信では必ずしも4Kのスペックをフルに活用できるだけの品質を提供できているとは言い難く、従来のBDを拡張したUltra HD BD(4K BD)の規格が今夏完了を目処に策定が進んでいる。HEVCに対応することで従来のBDと比較して圧縮率を倍に向上させただけでなく、3層BDを定義して最大100Gバイト(BDXL 33Gバイト×3層)を1枚のディスクへと記録可能になる。このUltra HD BDにはHDRに関する情報を含むことが可能であり、例えばテレビ側がHDR出力に対応しているのであればHDRに対応した信号を出力し、そうでなければ通常の信号で出力を行うなど、BDプレイヤー側で制御が可能だという。

今回はソニーをはじめ、各社のブースでHDRに関する展示が見られた。ただし、パナソニックの担当者によれば、今回参考展示されていたUltra HD BDプレイヤーを他社のHDR対応テレビに接続しても本来のHDR画質がサポートされるかは保証しておらず、あくまで現時点ではパナソニック製テレビと組み合わせた場合での対応になるという

 こうした仕組みは、LGやサムスンらテレビメーカー各社、さらに映画会社やNetflixなども加わってスタートした業界団体「UHD Alliance」での規格で定義されているものとみられる。ただし、Ultra HD BDプレイヤーを参考展示していたパナソニックによれば、現時点で同プレイヤーによりHDR出力が可能なのは同社製テレビの組み合わせのみであったりと、必ずしもBD Associationやメーカー間での動きが完全にリンクしているわけでもないように見える。いずれにせよ、4Kを本来の能力で楽しむための環境が整うのは、これら各社の技術や製品が出そろう今年後半から来年以降にかけてとみられる。

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