シャープは3月12日、ロボット掃除機“COCOROBO”(ココロボ)の新製品「RX-V95A」「RX-V70A」を発表した。部屋の隅にたまったゴミを風の力で飛ばし、吸引する「エアーすみブラシ」を新搭載。サイドブラシの届かない場所もキレイにするテクニシャンだ。オープンプライスで4月下旬に発売する。
シャープによると、日本の家屋は約7割がフローリングで、ゴミは綿ぼこりなどの繊維系ゴミが多いという。また素足文化のために床に直接ものを置くケースが多く、欧米に比べて狭い居住スペースに多くの“角”ができる。ココロボの国内商品企画を担当する檜垣整部長は、「綿ぼこりなどは軽く動きやすいため、周辺部に集まりやすい。日本の住宅は隅にゴミがたまりやすい環境といえる」と指摘する。ココロボは両サイドにサイドブラシを持っているが、角の頂点には届きにくい。またランダム走行では壁や家具などの障害物があると方向転換するため、そもそも隅に行きにくいこともネックだったという。
新しい「エアーすみブラシ」は、ココロボが超音波センサーで部屋の隅に来たことを検知すると、右サイドに設けられたダクトから風を吹き出しながら、左右に3回“首振り”の動作を行う。隅にあったゴミは風の力でココロボの進行方向へ飛び出すため、すぐに回収できるという仕組みだ。なお、風によってハウスダストを巻き上げる可能性については「風の強さや向きを計算して設計しており、極力抑えられている」という。
走行プログラムも新しくなった。ココロボは部屋をマッピングする機能は持たないが、従来より念入りに掃除を行うように進化。スタート時は規則正しく縦横のジグザグ走行で掃除していき、家具などが多い場所はランダム走行でカバーする。さらにテーブルや椅子の脚など細い形状のものを検知すると周囲を“くるり”と一回転。溜まりがちなゴミを掃除する。
ゴミセンサーが多めのゴミを検知した場合は、その周囲にもゴミが散乱していると判断し、吸引力を上げて“8の字走行”を行う。「従来機は吸引パワーを上げるだけだったが、8の字走行によって最初にゴミを検知した場所を最大3回走行することになり、より念入りに掃除できる」(シャープ)。ほかにも床がじゅうたんになると自動的に吸引力をアップするなど、ゴミの量や床に応じて掃除の仕方を変えるようになっている。
本体は直径31センチ、高さ9センチとコンパクトで、ベッドの下などにも入りやすい。また底面の回転ブラシには帯電防止のAg(銀イオン)ブラシを初めて採用し、ゴミの付着を抑制。ダストボックスは容量を0.25リットルにアップしながら薄型化した。ダストボックスとフィルターは取り外して水洗いが可能だ。さらにリチウムイオンバッテリーもユーザーの手で交換できるようになるなど、使い勝手を向上させるアップデートが行われた。
ユニークな新機能として、ココロボが持つプラズマクラスターイオン発生器を使い、クローゼット内などのスポット消臭を行う「プラズマクラスターシャワーモード」がある。「バッテリーを内蔵したロボット掃除機を活かし、コンセントのない場所でも消臭が行える」(同社)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR