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日本でも視聴できる!――映画の街で見つけた最新4Kコンテンツの感動ポイント麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(3/5 ページ)

» 2015年08月27日 18時20分 公開
[天野透ITmedia]

麻倉氏:先に話題に挙げていた「世界の4Kレビュー」という、世界中の優れた4Kプログラムを私が紹介する番組がJ:COMの4K VODで8月1日から放映されていますが、「フラメンコ・パッション」は「カンヌの会場で見つけた最後の1つ」なのです。制作を手がけたメディナ・メディアは社長がお父様で、ぽちゃっとした可愛らしい娘さんがディレクターという、家族経営の小さなプロダクションです。ですが大変にやる気があったのでTBSに紹介したところ、見事に話がまとまって採用となりました。

麻倉氏:私の番組はTBS VISIONが企画・制作を行いました。同社は長年にわたって「世界遺産」を制作しており、4Kの実績と経験があります。今ではスポンサーがソニーからキヤノンに変わりましたが、ソニー提供時代から世界でいち早くCineAltaカメラの 「F65」を使って4Kコンテンツを撮りためていました。それが今、NexTV-Fの試験放送で4Kコンテンツとして放映されているものです。

メディナ・メディアのマリア・メディナ氏。4K撮影に意欲的だ

――「世界の4Kレビュー」はどのような経緯で企画されたのですか?

麻倉氏:「世界中の4Kコンテンツを私が見て、案内人として紹介する」という企画の打診がまず私のところに来ました。1回30分で5回分、放送は7月から始まったJ:COM 4K VODで、8月以降のコンテンツとして放映開始します。オン・デマンドなのでいつでも見られます。

 ナビゲーターは2006年ミス・ユニバース日本代表で、世界大会総合2位に輝いた知花くららさんです。さすがに美しく、話の内容がとても知的な方です。私は前々からファンでした。ですが撮影現場で会うと、テレビで見るよりもはるかに美しいですね。テレビは立体ではないので、のっぺりとした中でライティングによって一面的な部分を撮っているわけですが、生身の知花さんを見ると非常に存在感と知的な美しさが際立っていました。仕事は忠実にこなしましたが、いや目が離せなかったですね(笑)。

――ミス・ユニバースの審査では、単なる容姿的な美貌だけでなく、特技や知識といった才能が審査対象となり、人間としての総合的な魅力が競われますからね。今回のような「新しい世界のナビゲーター」というお仕事にはうってつけの人選だと感じます

ナビゲーターの知花くららさんと麻倉氏。知花さんはミス・ユニバースで準ミスに輝いた美貌の持ち主

麻倉氏:今回の企画では紹介をする各番組にそれぞれテーマが据えられています。「フラメンコ・パッション」は“音楽の躍動感”、“アーティストの躍動感”がテーマです。フラメンコの凄さは、時間が経つと取り憑かれたような「無我の境地」で、エネルギッシュで肉体的な動きをするところにあり、汗や髪の毛など、迫力と醸し出すエネルギー感などといったところが、4Kの描写ではしっかりと捉えられています。アーティストのパッション、エモーションなど、4Kならではといえる映像と音楽の掛け算的でリッチな躍動感が体験できました。

 メディナメディアさんにカンヌの現場で話を聞いてみたところ、初めての4K撮影ということもあり、暗い現場でのフォーカシングに苦労したとお話ししていました。でもフォーカスはバッチリ合っており、だからこそ4Kという高解像度を通じて、テーマであるパッションが伝わってくるのです。

 もう1つの見所として、ドローンで空撮したセビリア大聖堂など、建造物表面のレンガの質感などがしっかりと伝わるところも挙げておきます。知花さんもフランス留学時代に数カ月スペインへ行っていたとのことで、興味深そうに見ていらっしゃいましたね。「ダンサーの動きや表情を実に細やかに伝えていて、登場人物の気持ちになりきって見ると更に魅力が深まります」と話していました。

――建物の質感や、色や光の空気感は、南欧特有のものがあります。スペインに足を運んだことのある知花さんが没入するということは、そういった本物の質感や空気感をうまく表現できていたということの表れですね

スペイン、メディナ・メディアの初4K作品「セビリア・フラメンコ・フェスティバル」。麻倉氏がナビゲーターを務めるJ:COMの4K VODで視聴できる

麻倉氏:「世界の4Kレビュー」で取り上げる別のコンテンツも紹介しましょう。次はフランスで2015年に制作されたマウンテンバイクコンテストのドキュメンタリーコンテンツ「MTBヒーロー」です。都会の会場でジャンプ台を作り、アクロバット演技をする大会の様子を4Kカメラで捉えています。

――自転車のスタント競技だと、タイヤ径が小さいBMXで行われる「X Games」が頭に浮かびます。危険度の高い過激な技を競う、いわゆる「エクストリームスポーツ」の一種ですね

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