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新しいデジタル放送「i-dio」をさっそく試してみた(1/2 ページ)

» 2016年03月02日 15時24分 公開
[橘十徳ITmedia]

 いよいよプレ放送が始まった新放送サービス「i-dio」。地上アナログテレビ放送終了後に空いた周波数帯を使ったこの新放送サービスとは、いったいどのような使い心地なのだろうか。放送開始に先駆け、無料モニターに配布された「i-dio Wi-Fiチューナー」を使ってさっそく視聴してみた。

「i-dio Wi-Fiチューナー」とAndroidスマートフォン

 i-dioは、地上アナログテレビ放送終了後に空いたVHF-Low帯(99M〜108MHz)を利用した放送サービス。既存のテレビでもラジオでもない全く新しい“第3の放送”というコンセプトで、映像や音声だけでなく、デジタルデータも送れることが特徴だ。また、放送波で送信するため、通信とは異なり輻輳(ふくそう)が起こらず、不特定多数への情報送信が可能で、リアルタイム放送と蓄積型放送の両方を行える。その特徴から、防災情報配信システムへの利用も予定されている。まずは東京・大阪・福岡にて放送を開始し、その後は順次、全国へと拡大していく予定だ。

 「i-dio」の利用には専用チューナーが必要で、現在、SIMフリースマートフォン「i-dio Phone」(コヴィア/VIP)が発売されているほか、放送に先立って、既存のiPhone/Androidスマートフォンと組み合わせて放送を受信できる「i-dio Wi-Fiチューナー」が、無料モニターとして1月から2月にかけて配布されている。今回は、このWi-FiチューナーとAndroidスマートフォンを試用した。

 「i-dio Wi-Fiチューナー」は、「i-dio」の放送波を受信してスマートフォンに無線LAN(Wi-Fi)伝送するデバイス。iPhone/Androidスマートフォンに専用アプリをインストールすることで、スマートフォンの画面上で「i-dio」の放送を視聴できる。なお、3月1日時点で公開されているアプリはAndroid版のみ。iOS向けのアプリは現在アップルの審査中で、3月上旬に公開される見通しになっている。

 手のひらサイズのチューナーは、リチウムイオン電池を内蔵しており屋外での利用も可能だが、防水仕様ではない。サイズは73(幅)×45(奥行)×21(厚さ)mm、重量は約70gと軽量コンパクト。上部にロッドアンテナを備えているほか、外部アンテナ用の3.5mmピンジャックも用意している。充電にはMicroUSB端子を使用。内蔵バッテリーの充電時間は約6時間で、連続動作時間は約6時間となっている。持ち運びに便利なストラップホールも装備している。

 ボタン類は電源スイッチが1つ付いているだけのシンプルな外観で、電源ボタンを押す際に、短押しすると「Androidモード」、長押しするとiPhone/iPad用の「APモード」と動作モードが切り替わる。Androidモードの場合は、Android端末のWi-Fi Direct接続機能を使用してWi-Fi接続を行う。一方、APモードの場合はチューナーがWi-Fiアクセスポイントとして動作する仕組みだ。電源ボタンの横には動作モードを確認できるLEDランプを搭載しており、Androidモードの場合は緑に点灯、APモードの場合は緑の点滅となる。なお、Wi-Fiは2.4GHz帯のIEEE 802.11b/gを使用している。

ボタンは電源のみ。短押しすると「Androidモード」、長押しするとiPhone/iPad用の「APモード」になる
外部アンテナ端子と充電用のMicroUSB端子

ロッドアンテナは伸ばすと意外と長い

 AndroidでWi-Fi Directの設定を行う場合は、「設定」から「Wi-Fi」を選択し、メニューから「詳細設定」「Wi-Fi Direct」で該当するピアデバイス名を選ぶ。その上で専用アプリを起動すれば使用可能となる。なお、初回起動時には、ユーザーの生まれた年や使用地域などを尋ねるアンケート画面が表示される。

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