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目指したのは“スマホ画面”に依存しないコミュニケーション――ソニーモバイル「Xperia Ear」に迫る山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(3/4 ページ)

» 2016年04月01日 20時29分 公開
[山本敦ITmedia]

Xperia Earはスマホによるコミュニ−ケーションを変えるスマート家電だ

 Xperia Earを体験して、分かった機能をいくつか補足しておこう。本体には2基のマイクが内蔵されている。1つがハウジングの側面に置かれた、ユーザーの声を拾うためのマイク。もう1つが外音を集めてノイズを抑制するためのものだ。本体側面のマイクは裏側にLEDを内蔵して、不規則に点灯・点滅するギミックが仕込まれている。なぜこの機能が必要だったのか、近藤氏が理由を説明する。

本体外側のマイクにはLEDランプを搭載。ボイスコマンドを検知すると明滅のパターンが変化する

 「ユーザーの声を聴いている時にLEDが淡く点滅します。これはユーザーの声にきちんとリアクションしている、スマートなボイスアシスタントのインテリジェンスを表現したいと考えて採用しています。もっとも、装着しているユーザー本人からは見えない位置にありますが、周囲から“ひとり言”をブツブツしゃべっているように見えないようにという狙いもあります(笑)。この明滅の仕方や発光色についても何度も検討を重ねています」(近藤氏)

 本体側面のボタンを押すとマイクが起動することは既に紹介した通りだが、さらに「ロングプレス」と呼ばれる機能では、ボタンを長押しすると特定の人にメッセージや電話を送信したり、ユーザー指定のコマンドが呼び出せる。例えば「家族のメンバーを住所録から選んで、電話番号をタップして発信」といった、頻繁に使う一連の操作コマンドをショートカット登録するイメージだ。

 Xperia Earのバッテリーは本体にも内蔵されるが、付属のキャリングケースには本体を3回チャージできる電源が搭載されている。ケースのサイズや重さについても、Xperia Earを積極的にアウトドアへ持ち出して使ってもらうため、ポータビリティを高めることに腐心したと青山氏が強調している。ケースの表面を、ひっかきキズなどが付きにくいようソフトコーティングした配慮もこれに含まれる。

※初出時に「本体を5回チャージできる」との記載がありましたが、正しくは「3回」でした。おわびして訂正いたします(4/4 12:53)

専用ケースに本体を収納したところ。本体を3回チャージできるバッテリーが内蔵されている
本体を充電中はケースの天面のランプが点灯する
ケース自体はUSBにつないで充電する

 なお、ボイスアシスタントは7言語・8カ国語(英国英語/米国英語が分かれている)に対応する予定。今回は現在開発中の日本語によるボイスアシスタントも体験させてもらった。届いたメッセージを日本語で読み上げて、こちらの発話も正確な日本語認識でスムーズに応答してくれる。“ピッ”とアラームが鳴ってから発話すると音声が読み取られるのだが、そのタイミングを取るのに失敗することはあったものの、慣れればスムーズに入力できるようになるだろう。Xperia Earの日本発売については、いまのところ公式には「未定」というステータスだが、これだけ日本語入力のエンジンの完成度が上がっているならば、日本発売も期待できそうだ。日本ではBluetoothヘッドセットが海外ほど普及していないと言われることもあるが、Xperia Earのインテリジェントな音声認識エンジンによる操作感を体験すれば、スマホによるコミュニケーションをより便利にする新ジャンルの“スマート家電”として注目する向きも増えるのではないだろうか。

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