さまざまな属性のオタクを集めた「女性オタク座談会」。これまで、腐女子さん、女オタクさん、声オタさん、夢女子さんたちと「オタクと各クラスタに目覚めたきっかけ」や「女子校は腐女子多い説」について語り合いました。
今回は、女性オタクそれぞれの特徴について聞いていきます。果たして、夢女子さんと声オタさんの実態とはどんなものなのでしょうか。
今回集まってくださったのは、こんな4人です。
腐女子さん いわゆる男同士の恋愛(BL)に萌える女性オタク。今のメインジャンルは「刀剣乱舞」と「KING OF PRISM」(キンプリ)。BLの中では王道を好み、Pixivで検索したときにヒット数が多いカップリングにハマる傾向がある。地雷もほとんどなく、自称「供給には困っていない幸せな腐女子」。ただ、今はマイナーカプにハマってしまい、自給自足しようとイラストレーターの友人と同人誌を作ろうとしている。
女オタクさん オタクだが、今までBLには萌えたことがない。まわりには腐女子がすごく多いが、「私はなぜか腐女子にはならなかった」と語っている。SFを中心に硬派な作品を好み、今までの傾向として「カウボーイビバップ」や「つり球」など無意識におしゃれ感漂う作品にハマってきた。今は「宇宙戦艦ティラミス」にハマり中でアニメ化を待っている。BLの話をされたり、Pixivで腐女子要素のある絵を見たりするのは平気で、自分にはない発想も尊重して聞くタイプ。
声オタさん 声オタは声優オタクのことで、作品と同時に“中の人”である声優さんを強く好む女性オタク。メインジャンルはずっと「黒子のバスケ」で最近はスマホゲームの「アイドリッシュセブン」にもハマっている。実は声オタ歴より腐女子歴の方が長い。声オタ歴はここ数年ぐらいからだが、日本全国へ積極的に遠征するなどアクティブに活動中。好きな声のタイプは「悪役が似合う声」。具体的に言うと福山潤さん。
夢女子さん 夢とは、キャラクターとの恋愛を妄想した小説のこと。キャラクターと恋愛したいと思う女性オタクが「夢女子」である。社会人になってオタ卒しかけているものの、「テニスの王子様」(テニプリ)がずっと大好きで、今でも推しのキャラクターの誕生日は毎年祝う(生誕祭)。全盛期はテニミュ(テニプリの舞台)にも通い、「テニプリに投資してきた人生だった」と振り返る。
参加者の中でも特に注目を集めたのが、夢女子さん。というのも、誰もが口をそろえて「自分のまわりに夢女子さんはいない」というのです。それはなぜか? ベールに包まれた夢女子さんの実態を明らかにしていこうと思います。
夢女子さん 夢小説好きな人たちって、「私、ドリーム好き」って言わないから、気づかないんだと思います。
ちぷたそ 夢女子って、Twitterでも「鍵アカウント」(公開範囲を限定)で、オープンじゃないイメージがあります。実際、座談会の参加者を探すときに一番苦労したのが夢女子さんでした。
夢女子さん 自分で完結してしまうので、夢女子同士の交流はないです。
腐女子さん そっかー、自分で完結してしまうんだ。
ちぷたそ 誰かとつながる必要がないんですね。
女オタクさん 「夢」っていうくらいだから、自分の頭の中で終わっちゃう。
夢女子さん そうそう、「私が主役だし」みたいな(笑)。
ITmedia村上 夢女子同士でオフ会をしたりとかは?
夢女子さん 全然ないです! 絶対ないと思う。
声オタさん 彼氏(好きな男性キャラクター)がかぶったりしたら・・・・・・。
腐女子さん そうだ、大問題だ!
夢女子さん (夢小説の)コメント欄とかで、他の人のリクエストとか見たくなかったです。「その人のリクエストをもとに作成された小説に私を当てはめて読むってどうなの?」ってなっちゃうので。だから、私は見ないようにしてました。
腐女子さん 同担拒否(※)だ。
自分の一推しのキャラクターがかぶるのを嫌うこと。好きなキャラクターを独占したいという気持ちから、そのような意思表示をする。
夢女子さん あまりそういうのは人に強要することじゃないとは思うんですよ。それぞれの解釈の中で完結しているので。ただ、その思いを表に出してしまう「過激派」の人もいるにはいます。
腐女子さん 本当に申し訳ないんですが、私が今まで出会った夢女子さんの中には、チラホラ過激派の方がいらっしゃって……。そういう方は作者さんに向けて、「あなたの書いているものは誰かを不快にさせています」とか警告文を送っちゃったり。
夢女子さん わぁ……嫌なら自分から見ないようにすれば済む話なのに……!
腐女子さん そういう、「不快に思う人がいるのだから自重してください」みたいなものをみんなが見られるところに書いてしまう。そういう人に対しては「愉快に思う人もいるので尊重してください」という意見もあります。
声オタさん 要は、その人は「私が嫌だから書くな」って言いたいんだよね。それを「みんなの総意だ」みたいに拡大して言ってしまう。
夢女子さん 夢小説も他の読み物と同じで、内容やクオリティーは人によってバラバラです。だけど、それは自分で選んで読んでるんだから、人に文句を言ったりするのは筋違い。なので、そういうのを目にすると「何でそういうこと書くんだろう?」って悲しいです。人に強制しないでほしい……。
腐女子さん 好き嫌いはあってもいいんですけど、それを人に強制するのはよくないですね。
女オタクさん そう、読まなければいいだけという。
腐女子さん 嫌だと思ったら、昔の古き良き文化である「ブラウザバック」を。
夢女子さん 今でいう「そっ閉じ」。
腐女子さん ブラウザバック推奨みたいな……ああいう文化がなくなってしまった。
声オタさん 夢女子で好きなエピソードは、劇場アニメ「KING OF PRISM」(キンプリ)が好きな「アレクの女」(※)。うわさで聞いただけで、実際見たことはないんですけど(笑)。
劇場アニメ「KING OF PRISM」に登場する、大和アレクサンダーというキャラクターが好きなファンの総称。「アレクの女」までが固有名詞なので、♀と♂が存在する。
声オタさん アレクがダンスバトルをした後にスクリーンからフレームアウトするとき、「アレク待って!」って言いながら映画館から出ていく夢女子さんがいるらしくて。
一同 (爆笑)
腐女子さん 新しい楽しみ方過ぎる。途中退場ーー!?
声オタさん そのために、一番出口に近い端っこに座るんだって(笑)。
ちぷたそ なんかすごい感動した……。
声オタさん その夢女子さんめっちゃ好きなんですよ(笑)。知らない人なんですけど。
腐女子さん 「アレクの女」の♀すごい!
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